青蓮学園物語
4
ここは何とかしてごまかさないといけないと思った僕は。
慎重に言葉を選びつつ、如月さんに確認する。
『それは生徒間の虐めが主な原因何ですか?──もしかして暴行事件とか有るんですか???』
少し怯えたような表情を浮かべて、問い掛ける僕。
流石に性的暴行があるのかとは聞けないよねぇ?
「あ〜、男ばかりの環境だから軽い喧嘩や衝突は日常茶飯事かもしれんが、理由も無く暴れたりする奴はいないと思うぞ?」
一旦そこで言葉を切って、如月さんはこちらをじっと見つめた。
「なんて言ったって下手に問題起こしたら、生活指導は隣の寺での修行だからな?」
座禅組んだり、写経したり、掃除させられたりするんだよ……と何でもない事のように如月さんは告げた。
──逃げ出すほどのストレスの原因は、案外ソレなんじゃないのか?!
その後も色々説明が続き…
「他に質問なければ、そろそろ部屋に案内するぞ?」
そう言いながら如月さんは管理人室の机の中から、車の免許証のような1枚のカードと鍵を取り出して来た。
「これが相川の学生証と部屋の鍵だ。学生証にはICチップが組み込まれていてクレジット機能もあるから落とすなよ?」
どうやら学校内での出費は基本的にそのカードを使って清算するみたいで。
保護者には1か月分まとめてカード会社から請求がいくらしい。
現金を多く持ち歩くと盗難の問題があるからとの配慮だそうだ。
「寮長にも引き合わせないといけないんだが、まだ帰省中でな。多分2,3日中には戻ってくるから、その時また紹介するよ」
そう言いながら如月さんは立ち上がった。
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