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青蓮学園物語
3

「あ〜、そうそう。最初に言っておかないといけないんだったな……」


 如月さんが不意に何かを思い出したように続けた。


「知ってるかもしれないが、こういう風に隔離された全寮制の学校には全寮制ならではの悩みがあってな……」


 来たぁ…っ!この流れはもしかしなくても、男同士の恋愛についての話なのか…っ!?

 母の小説の中ならここで、男同士のカップリングについてレクチャーされるところだ。

 うあぁ、ドキドキするよっ。
 
 実はここの生徒は100%ホモとか言われたらどうしよう?!


 次に如月さんが何を言うのか真剣に耳を傾けながら、母に報告する恰好のネタが出来たかも、と僕は心の中で思っていた。
(ある意味、腐女子と変わらない春樹)


「ちょっと言いにくいんだが……」


 そこで一旦逡巡して如月さんは言葉を紡いだ。
 

「ずっと男だけで同じ場所に隔離されているからか、プライベートのまったくない生活を強いられる所為か……。
 ストレスでホームシックになって逃げ出したり、精神的に不安定になって入院・転校する奴が後を絶たないんだ。
 酷い時は自殺未遂とかな……」


 佐藤の元同室の奴も確か1年の終わりに転校したんだよ、と続けた。


『なんだぁ、そういう話かぁ……』


 残念そうに呟く僕を見て、如月さんが怪訝そうな顔をした。

 しまったっ!激しく期待ハズレすぎてガッカリしたのが顔にも声にも出たようだ。



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