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青蓮学園物語
4
 佐藤のペースに振り回されていると、不意に少し離れたところから声が聞こえた。


「…どうでもいいが、お前ら私の存在すっかり忘れてるだろ?」


 疲れ顔の如月さんは呆れたように呟いた。

 過去に遭遇した事のない程の濃いキャラクターの出現で、本気で忘れてたなんて流石に言えないよね……?


「あれ?もうハル貰ろてもいいんとちゃうのん?」

「馬鹿野郎っ、寮の説明とか書類の記入とかいろいろあるからまだだっ。部屋の鍵すら渡してないんだからな」

「ふぅん〜?んじゃソレは如月ちゃんに任せて俺はもうちょい走ってこよかなぁ?」

「相変わらずマイペースだな、ほんとにお前は……」


 脱力する如月さんに向かって、それが最大の取り柄やわ、と佐藤は笑った。


「ハル、ほんなら次逢ぅた時には翔太って呼んでなぁ〜〜?」

 
 やっと開放され深呼吸を繰り返している僕に向かって、佐藤はそう言って手をブンブン振った後どこかに走り去っていった。


『はぁ…っ、いろいろ有り過ぎて今日1日で2つか3つ年食ったような気がしますよ…っ』

「あ〜気持ちはわかるが。そんなこと今から言ってたら、アイツと同室なんて絶対やっていけないぞ?」


 そういう如月さんに僕は、少し乾いた笑いを返すしか出来なかった。


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あきゅろす。
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