青蓮学園物語
4
なんでこういう事って、自覚すると一気に疲れを感じてしまうんだろ?
僕は寮まで案内してくれている如月さんの後を無言で歩きながらも、頭の中で今後の生活について下らない事を考えていた。
あれだよね、小説だったら、ファーストコンタクトの相手とは恋に落ちるんだよねぇ……?
普通は美形の副会長だったり、根は優しい不良だったり。
この場合はどうなるんだろ。教師との禁断の恋?
そこまで考えて、僕は前を歩く如月さんをじっと観察する。
『しかし、今時喜平のネックレスって……』
「ばかやろ、これは財テク(死語)になるんだぞ!」
うぁ、まずいよ…っ。
うっかり僕は、思ったことを口に出していたようだ。
少し焦って言葉を探す僕に、如月さんは激しく憤る。
「喜平は普通のアクセと違って、金相場で価値が増減する優れものなんだからなぁ?」
それに夜の銀座じゃこれが必需品だ、と尚も続ける。
『でも…っ、行かない、でしょ?』
「……っ、煩い、別に構わないんだよっ」
すこし凹んだらしい。声のトーンが落ちた。
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