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青蓮学園物語
5
 僕達が廊下に出た時、ちょうどチャイムが鳴った。

 授業はどうなるんだー!と想いながら数メートルほど引きずられた所で、授業をするために来ていた如月さんと蓮見先生に偶然出会う。


「二人とも授業始まるぞ、どこ行く気だ?」と蓮見先生。

「ちょお悪いけど、大ちゃん見逃してやっ。選挙ネタやねん」


 臆することもなく翔太はそう言った。

 もしかして、選挙中は授業も免除されるのか?!

 しかし当の出馬してる二人はいないんだけどねぇ……?


 それまでじぃっと、僕の状況を見つめていた如月さんが憐れみの目を向けながら声を掛ける。


「……相川、ご愁傷様。
 それって間違いなく夏目の仕業だよな?」


 5限目はそういえば数学だったなぁ…などと現実逃避気味に思いながら、僕は如月さんの質問を聞き流した。

 ちょっと見ただけでわかるって事は、前もって何らかの事情を知ってたと言う事で。

 わかっていたんなら、智兄の暴走を止めてくれてもいいのにーー!などと僕は心の中で叫ぶ。


「まぁそう言う訳で、俺ら午後から早退するわ」


 そう真顔で告げて僕を連行する翔太を、二人の先生は呆れた顔で見送っていた。
 

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