[携帯モード] [URL送信]

青蓮学園物語
3
 僕の目線に気が付いた翔太が耳元で囁く。


「あのちびっこいのが、前に言っとった須藤のセフレや」

『はぁっ!?』


 予測してなかった翔太の台詞に、僕は思い切り叫んでしまった。


 それってあれだよね……。

 須藤が応援演説やる予定の、須藤のセフレだけど駆さんのファンで会長立候補したとか言ってた奴。


「ボケっ、声でかいわっ!」


 僕達の様子に気付いた少年は、凄い目で睨みながらこちらに向かって声を掛ける。


「初めましてだよね、相川君。
 君の噂は色々聞いてるけど、まさか会長にまで手出してるとは思わなかったよ?」

『何で初対面なのに僕の名前知ってるの?』

「あほ、ツッこむとこはそこちゃうから……」


 背中から呆れたような声が聞こえるけど、この際無視だっ。

 しかし、最近翔太にアホ呼ばわりされる率Upしてないか!?←無視し切れてない


「派手な噂の転校生の名前ぐらい誰でも知ってるよ。
 寮長の幼馴染で翔太君のルームメイトで、雄飛だけじゃなくて結城や波多野や久我にまで取り入ってるんだから」

『はぁ?ちょっと待って、納得出来ないよっ!
 久我に取り入って何のメリットがあるんだよーっ!』

「ぶっ、後は誤解されたままで良いのか??」と須藤。

『そりゃ良くはないけど、他人に何言われても出来るだけ気にしない様にしてるから』

「そんでもヒロだけは納得いかんのか……」


 ちっとだけ可哀想やなーと呟く翔太。


 だってあんなボケキャラに取り入る奴なんていないでしょ、普通は。

 いくら顔が良くたって、午前中は会話が成立しないんだぞ?

 それに運動神経良くても、寝ぼけて何にも無いところで躓くんだよ!?
 

[振り返る][様子を伺う]

20/78ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!