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青蓮学園物語
3
 その後の如月さんの説明によると、こういう事だった。


 まず、この学園は隣にある華蓮院(かれんいん)と言う、結構有名なお寺の宗教団体が経営していて。

 如月さんも僧であると同時に(だからスキンヘッド)、学園では教師として数学を教えているらしい。

 さらに何故か寮監も兼任してるそうだ。


 また夏休み中の寮には部活動の盛んなクラブの人間以外は帰省していて、ほとんど人が居ないらしい。

 そういうこともあって、如月さんはのんびり部屋で寛いで居たらしいのだが……。


 残っている寮生の一人から、知らない奴が校門の前でぶつぶつ言いながら座り込んでいるとの報告を受けたらしくて。

 2学期から転校してくる奴(僕のことだ)がいると、学校から連絡を受けていたので多分そいつだろうと思ったこと。

 とりあえず行き違いになって迷子になっても困るので、慌てて迎えにやって来たそうだ。


『入寮する日の連絡、いってなかったんですか…?』


 てっきり母が連絡してるものだと思っていたよっ。

 急いで迎えに来てくれるなんて、見た目はアレだが案外いい人なんだなぁ……などと感心していると。


「まぁ、今更だが…」


 如月さんは、少し言い辛そうに言葉を続けた。


「ここで立ち話もなんだから、寮監室に移動しようか?」


 そう言われて時計を確認すると。

──僕がタクシーを降りてから、すでに2時間の時が経過していた。


「…はははっ」

『………』

「着いたら冷たい麦茶ぐらいなら入れるから……?」


 如月さんはそう言って苦笑しつつ、門の奥に足を進めた。


[振り返る][様子を伺う]

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