青蓮学園物語
10
全開の笑顔の智兄、心底楽しそうなキース先輩、無邪気に笑う歩さん……。
天然な歩さんはきっと裏読みなんかせずに、皆協力してくれてよかったねーとかのんきに思ってるんだろう。
──ここまでは、想像の範囲内だからイイ。
『ううっ、駆さんは常識人だと思ってたのに…っ』
駆さんの意外な一面に、軽く引き気味な僕の台詞に翔太達も頷く。
「俺のどこが常識から外れているんだ?」
と駆さんは首を傾げる。
だって、話を聞いてると一番嬉々として行動してるのは駆さんじゃないのか?
僕達の想像内の駆さんは、智兄たちの暴走を止めてくれる人だったんだよ…っ。
「ついでに言うたら…かまわへんのですか寮長?
周りにも人居んのにめっちゃ地出とりますよ……?」
妙に疲れている翔太が智兄に問いかける。
「春樹が転校して来た時点で猫かぶるの止めたよ?
だって本性知ってる奴居るのに、今更良い人のフリなんて馬鹿馬鹿しいじゃないか」
さも当たり前だと言う顔で智兄は答えた。
「それよりも……中身確認しないの?」
早くしないとお昼休み無くなっちゃうよ?と今更な台詞をキース先輩が告げた──。
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