青蓮学園物語
2
暫くの間、蛇ににらまれた蛙状態で対峙する。
8月だというのに、何故かここだけ気温が低くなった様な気がした。
お互い無言で見詰めあっているうちに落ち着いてきたのか、おもむろに相手が口を開く。
「お前…相川…相川 春樹じゃないのか?」
『うぁ、はっ?!』
何故この人が僕の名前を知っているんだーっ!
自身の荷物を瞬時に確認したが、一見して名前が判別できるものは持ち合わせてなかった。
えぇ、何でバレたの…っ!?
完全にその一言でパニック状態に陥った僕だったが。
また相手を怒らす訳にはいかず、混乱したまま大人しく次の台詞を待つ。
「なんかまだ勘違いしてるだろ……?」
ぶつぶつ呟きながらも、相手は更に話を進める。
「私は寮監の如月(きさらぎ)だ。お前、夏休み中に来るなら来るって前もって連絡しないと。
こっちにも準備ってものがあるんだぞ?」
偶然居たからいいものの……とぼやいている。
えぇ、この人が寮監なのか!?
『ここってヤ○ザが経営してるんですかっ!?』
「誰がヤ○ザじゃ、ボケッ!!」
その身に纏うオーラと眼光がすでに…っ(泣)
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