青蓮学園物語
6
タイトルを読んだ翔太が、呆れ顔で智兄に釘をさす。
「あ〜〜、折角なんで参考にはさしてもらうかもしれませんけども。
流石にご期待通りっちゅうのは無理かもしれませんよ?」
「わかってるよ?僕が口出せるのは晶君と春樹だけだって事は」
そう言ってにっこり微笑む智兄。
えぇ!?そのために後援者になったのかよっ!?
「はぁ…っ、寮長、晶と碧にはちょっかいかけへんって最初に約束したやないですか…っ。
そりゃ俺とハルは、ちっとぐらいなら我慢しますけど……」
そうだった、公示日に翔太から、多少は覚悟する様に言われてたんだった……。
元々の発端は僕への嫌がらせなんだから、これ以上被害が広がる前に食い止めなくちゃだよね?
心の中で決意を新たにしていると。
「……なんだこれ?」
「なんだかマニアックだよね……」
『へ?どしたの?』
アンケート結果を覗き込んでいた碧とあきちゃんが呆れた声で呟いた。
その声を聞いて翔太と僕も急いで目を通す。
波多野 晶
1位 武家の姫様
2位 町娘
3位 セーラー服
『あきちゃんって姫カット似合いそうだねぇ……』
「姫ってカツラとカンザシで、やたら頭重そうじゃない?」
「この手の衣装はどこで借りるんだ?」
「碧、ホンマに着せる訳やないんやから、そんな事気にせんでええよ……」
『ねぇねぇ?この町娘って、お代官様おやめ下さい、あーれーって奴なのかな?』
「はるちゃん、それは世の中の町娘全員を敵に回す発言だよ……」
コマのようにくるくる回る町娘を想像していた僕に、あきちゃんが呆れたように呟いた。
続いて僕達は碧の集計をみる。
結城 碧
1位 新撰組
2位 着流し
3位 花魁
「3位だけ何かが違う気がするけど……碧ちゃんは意外と似合いそうで怖いね……」
「ソレさえ見ぃひんかったら、めっちゃ普通の回答やのにな……?」
「花魁って女性物の着物を着崩したらいいのか?」
『うーん、ちょっと違うと思う…っ』
花魁の衣装を準備したら、本当に着てくれそうな碧が怖いっ!
(見てみたいけど)
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