novel
8
有「どこって…みな《―ピンポンパンポーン
「?」
《生徒会役員は至急、保健室に集合。それと、生徒、教員は南館への一切の立ち入りを禁止する。…急げ》
有「阿部先生?」
「なんかあったのか?」
「おい」
有「!?」
「かかかか会長!」
輝「白と准はどこだ?」
仕切りのカーテンからいつの間にか入って来ていた坂城会長の顔は、どこか焦っていて
「そ、それがまだ休憩から戻ってないんです」
「有馬、保科見たんだろ?」
輝「見たのか?どこでだ?」
有「み、南館…です」
呟いた声は、
輝「…くそ」
どこまでも切なかった。
―side 翠
―翠
忘れられない。
彼女の髪の柔らかさも、手の冷たさも、瞳の輝きも、凛とした声も、匂いも、覚えている。
―ねぇ、名前を考えたんだけど"蒼"と"白"がいいと思うの
1つ1つの会話も、鮮明に思い出せる。
―アオはシロを包み込んで優しい色を付けられるし、シロはアオを癒して薄める事ができるから。何より空の色よ。
笑うときに出来るえくぼ。
―私は幸せよ。2人の子供に会えた
幸せと言って零す綺麗な涙。
―何より、あなたと過ごした時間は、言葉にできない程幸せだったわ
置き去りにしてしまう、悲しみ。
置き去りにされてしまう、悲しみ。
―幸せになってね、翠。子供達に伝えて、愛してるって。私の代わりにたくさん愛してあげて…翠、あいしてる、から
どっちが悲しい?
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