novel
7
―side 有馬
有「おっそいなー委員長」
「お前、一緒に荷物取りに行ったんじゃねぇの?」
有「そうなんだけど、先に行っててって言われて荷物持って戻ってきたんだって」
心配そうな委員長の顔が印象的だった。
いつも何を考えているのかわからない彼が、顔に出るほどに保科の心配をしていた。
3年前は、もうちょっと笑う奴だったのに。
―きゃー!
―うおー!
深く考えに浸っていた分、耳をつんざくような黄色い声と野太い叫びに、本気でびっくりした。
慌てて教室のホールになっている場所を覗いた。
有「せ、生徒会御一行だ…」
会長、副会長、中西先輩、坂本先輩。
みんな大集合してる。
そっか。
保科と相模が生徒会に入ってるのか。
「おい!保科と相模どこ行った?」
「え、休憩してんじゃね?」
「もうとっくに過ぎてんだよ!会長達来たっつーのに!」
有「保科ならさっき見たよ」
「どこで!?」
ホールからキッチンに慌てて入って来たクラスメイトにそう言うと、グルンと勢いよくこっちを振り返った。
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