ショート 育ち盛りだし?(仙流) 「190cm」 声が掛かり、流川は思わずガッツポーズを取った。 仙道に追い付いた、これは流川の気持ちを盛り上げた。 それ程大きくは表情を動かしはしないのだけれど、彼は内心ウキウキしていた。 そんな中で検診が終了し、仙道と合流した時、流川はアレ?と思った。 視線が少し上がる。 同じになった筈なのに。 「……何で変わんねー」 「? 何が?」 キョトンとする仙道に、流川はブスッと応じた。 「身長、3cm伸びた」 「……あぁ、良かったな。オレも伸びてるからさ、3cm」 「……チッ……」 「何だよ、態度悪ィぞ」 笑いながらそう言う仙道は、言葉程流川の態度を気にしてはいない。 それでも内心では抜かれなかった事にホッとしつつも、表情には出さない。 「一緒に暮らしてて大体同じ物食ってるし、バスケやってるし?不思議な事ねーだろ」 仙道は流川の頭をポンポン撫でてから続けた。 「まぁでも日本じゃ相当突出してるけどな」 それでも流川は不満そうに告げる。 「マイケルはNBA入ってからも伸ばした」 「……198cmだっけ?」 「それでもセンターとかだと7フィート(213cm)求められたりする」 流川の基準はあくまでバスケット───それもNBA選手らしい。 感心と呆れが混じりつつも仙道は、真剣にそう思っているのであろう流川に茶々は入れない。 「確かに高っきゃ有利だけどさ、それだけで勝敗は決まんねーだろ?」 そう言ってから仙道はニヤリと笑った。 「身長差がある奴とだって、負ける気ねーだろ?おめぇも」 「たりめーだ」 即刻返ってくる言葉に仙道は笑む。 「じゃあ……どんな相手にも勝てる様に、練習しようぜ?対策も考えながらな」 「おー」 途端にギラリと瞳が光り、やる気に漲る流川と、一見飄々としているが闘志は充分に持っている仙道と。 そうして二人は今日もまた、バスケに明け暮れるのだった。 ───────おしまい。 [*前へ][次へ#] [戻る] |