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七色学園
窓際の天使(k)

純粋無垢なお姫様。
彼が起きたら伝える事にしよう、このきもちを。


「あ…けんちゃん?」
「、起きた?」

彼はまだぼーっとしていて、目をぱちぱちさせながらこすった。

「ごめんな、来れなくて…えーと、委員会が…」
「ええよ。けんちゃん忙しいもんなぁ。仕方ないわぁ」

ふにゃりと微笑む。
やっぱり可愛い。

「あんな、はいど、俺…」
「あ、けんちゃん明日からはまた来れるん?」
「え?あぁ、うん。」
「よかったわぁ、独りって…こんな淋しかったっけ」
「はいど!来ないだの話「あ!俺水変えてくる!」


なんか、おかしくない?
わざとその話題を避けるみたいにしてる

「はいど!!!!」

少し強めに叫んで彼の手を掴む。彼がビクッとしたのがわかった。

「来ないだの話。俺わかったんよ」
「…ゃ……」
「なんで脅えてるん?」
「脅えて、へん」
「嘘や。じゃどうして逃げるんよ。好き言うたのはお前やろ」
「や、離して…」

彼の手を引いてぐっと抱きしめる

「俺ん事嫌いになった?」
「ちゃう!!!!!」

はいどが顔を上げたから普段隠れがちな目が俺を捕らえた。

「やって…、俺幸せ望んでもどうせ叶わないし」
「な…」
「誕生日だっていつもお父さんもお母さんもおらんかった!」

はいどははっとしたように口をつぐむ。どういうことやろ、

「とにかく、あれは無かったことに…」

こんなに近い距離なのに目を逸らしてくる彼が気に入らない。俺はだまってその唇を塞いだ。

「んっ…!」
「俺は、はいどの事好きなのやめる気はないよ」
「けんちゃん…」
「俺ははいどの特別になりたい。だから今まではいどが幸せじゃなかったんなら俺が幸せにしたる」

もともと大きな目が更に大きく見開かれた。
雫が一滴流れ落ちる

「好きでおってもええの?」

「むしろそっちのが嬉しいんやけど…」

彼は手をおそるおそる俺の背中に回す。

「いなくなったりせぇへん?俺のそばにいてくれる?」

俺はきゅっと彼を抱きかえした

「もちろん、離したりなんてしてやんない」

「じゃあ、いい」

本当に幸せそうに笑う彼は

笑顔で人を殺せるのではないかというくらい素敵な顔をしていた。





窓際の天使


あの日見た純白の天使は、

僕の横に舞い降りた。



運命って、本当にあるのかもしれない



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