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七色学園
アイラヴ・ソー・ヒム(y)

そろそろ夏服が欲しいね

って話になって、

じゃあ一緒に買いにいこうか

なんて言ってしまったから。

君は少し頬を赤らめて、嬉しそうに うん。 と頷いた。

「あっ、おはよ!」
「おはよ。まだ5分前なのに」
「10分前集合がモットーやねん」

そうか。

じゃぁ、次は15分前に来なきゃいけないな

「どこ行く?」
「ゆっきーの好きなとこでええよ」
「…じゃぁ、適当に歩いていこうか」
「うん!」

自分の好きな服とかはないんだろうか。
パーカーの裾に手を突っ込んだ彼は崩したブリティッシュスタイルだ。

「あ、ここ見たい」
「ここ?」

僕がいつも買うブランド。

「あっ、これ前ライブで来てへんかった?」
「よく覚えてるね」
「印象的やったから!」


ふと目に入ったのは七分丈の赤いボンテージパンツ。
あ、これてつくんに似合いそうだな
うん、これをこう併せて……うん。

「てつくん、」
「あっ、買い物終わったん!?なに買ったん?」
「これ着て」
「へ?」
「てつくんに。買ったから」
「えええええ!!!???」
「早くしてよ。置いてくよ?」
「えっ、え、はいっ」

意外と僕独占欲強いみたい。

そう。僕だけの格好にしたいんだよね。

「き、着たけど、変やない?」

買ったのはピンク地の衿ぐりが広く空いたカットソーとさっきのボンテージ。スタッズの入った首輪。

「似合う似合う。髪弄るね」
「うわわっ」

おとなしい髪を外はねに持ってくればだいぶ可愛い格好に。

満足いく仕上がりになると次は見せびらかしたくなるのがアーティスト。

「いこうか」
「う、うん」
「どこ行きたい?」
「どこでも…」
「どこでも、は無し」

学校での元気加減はどこに行ったんだろ。やっぱり目が離せない

「あっ、じゃあ…プリクラ撮りたい!」
「あ〜…うん、いこっか」

プリクラなんてあんま撮ったことないし…

「てつくんはよく撮るの?」
「ん、けっこう…」

撮ってみたら何この差。
女子のように可愛らしく映る彼。
「てつくんじゃないみたい」
「プリクラなんてそんなもんやで」
「いや、今日はずっと…てつくんじゃないみたい」
「え?あ、見た目、とか?」
「ううん。学校よりおとなしいし、消極的だし。」

視線を落としてチョコクレープをほおばる。
黙ってしまった彼を見遣ると、頬が真っ赤に染まっていた。

「え、てつくん?」
「……俺やって、緊張してるんや…」

長い睫毛が瞬く。


「ゆっきーと、一緒だから」


…あーもー。なんだそれ。


ちゅ、


「ゆっ、ゆっきー!!!!!!」
「だっててつくん可愛いんだもん」


耳まで赤くしてしゃがみこんでしまった彼の手をとり歩き出す。


まだまだデートは始まったばかりだ。



アイラヴ・ソー・ヒム

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