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七色学園
Exceeded myself(y)


少しだけ遅くなった日。

特に用があった訳でもないが僕は早足で歩いていた。


「だから言っとるやろ!?タバコはあかんやないの?って!」


…えっと。

僕の見える範囲でものを言うね。
それはマンガとかでよくあるシーン。タバコの販売機の横に数名ガラの悪い学校の生徒。そして――


本日二回目、彼の声。


「うっせんだよ。女みたいな顔しやがって」
「なっ…」
「んとにお前男かよー」
「あ、当たり前や!男以外のなんでもないっ」
「調べなきゃわかんなくね?」
「お、俺もそう思う」
「じゃあ連れてく?」
「やだっ…」



…なぜ彼はこんなにトラブルメーカーなのか。
むしろどうしたらこんなトラブルに遭えるのだろうか

放って置けないけんちゃんの気持ちがちょっと分かった気がする。



「ちょっと、」
「あ?」
「その人離してもらえないかな」

「ゆ、ゆっきー!?」

「なに?お前。悪いけどこいつはオレらが――っ!!!!」
「オレらが――なに?」

あんまりやりたくなかったけどその男の腹に一発食らわしてやった。

「逃げるよ!」
「え、あっはい!」




彼の手を引いて走った。







「…はぁ。もういいかな」
「はぁ…ぁ…ゆっきー、早い…」

「小川君が体力ないんでしょ」

「うー…」
「で、家どっち?」
「え?」
「送ってくよ。危ないから」「……まじで!?」
「嫌ならいいけど。」
「全然!!!!!むしろ嬉しいっ!!!!」


言い出した瞬間の彼は、これから散歩に行く犬のようだった。
うーん、元気だなぁ。

「それで、どうして囲まれてたの?」
「……………」
「黙ってちゃわかんないけど」
「…あんな、あん中の一人、俺の中学ん時の友達なん。」

同級?
それじゃぁ彼は中学んときからそういう目で見られてたのか。

「声かけられて、ちょっとからかったら逆ギレされて…」

それ逆ギレじゃなくて狙われてたんだよ

「あんな奴やなかったのに」

「……まぁ…怖かったよね。」
「ん、」


彼の頭を撫でる。





あれ、





僕何してんの?









Exceeded myself






なんだか、自分を越えてしまった気がする。




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あきゅろす。
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