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ボコ題
口の端が切れた(鳳忍)

校門を出た所で部室に課題のプリントを忘れたことに気付いた。
明日提出の為、しょうがなく取りに行くことにした。

あれ…電気付いてる…

日も暮れ始め、全体的に暗い学校内に一際明るくなっている部室。
とっくに下校時刻は過ぎている。
不審に思って窓から少し覗くと、そこには跡部先輩と可愛い恋人の姿。
ただ一緒にいるだけならまだよかった。

なのに違った。

二人が何をしているのか頭がフリーズして判らなかったが、すぐにその場から走って逃げ出した。


























「…忍足先輩」

「なんや?チョタ」

名前を呼べば、いつもだったら綺麗に見えた笑顔で振り返るが、今は憎悪の対象にしかならなかった。
しかし、気付かれてはいけない。
精一杯の笑顔を取り繕う。

「今日終わったら部室で待っててもらえます?」

「ええよ。なんかあったん?」

「…ええ、少しだけ」

そう、少しだけ…―――

























さっきまでは騒がしかった部室も、今では俺と忍足先輩の二人になって随分と静かになった。

「…で、何があったん?」

呑気に笑っている表情(カオ)。今すぐにでも泣き顔に変えてやりたい衝動に駆られた。

「……昨日……昨日部室で跡部先輩と何してたんですか?」

冷たく微笑みながら言う。すると忍足先輩の表情は一気に青ざめる。

「あっ…待ってチョタ…!」

泣きすがるような表情。

それに快感すら覚えた。

「言い訳はいいですよ。先輩、随分気持ち良さそうでしたよね」

「や…違っ…」

潤んでいく瞳。

「違いませんよ。俺だけじゃそんなに足りませんでした?」

「だから…っ」

今にも泣き出しそうな忍足先輩を更に追い詰める。

「嫌や…チョタぁ…嫌いにならんといて…」

ポロポロと泣きながら言う忍足先輩に向かって優しく微笑む。
するとホッとした表情を見せる。

「そういうのはあの人に付けられた跡を隠してから言ったらどうですか!?」

「やっ…!!」

シャツを無理矢理開けて前をさらけ出す。そのおかげでボタンが取れたがそんなの知ったことじゃない。
白い肌に散らばる無数の赤い跡。自分で付けたものもあれば、覚えのないものも。

「あの人はきっと優しくしたんでしょうね」

付けた覚えのない跡を指でなぞる。

「だったら俺は優しくする必要なんてありませんよね」

勢いよく跡に爪を立てて抉ろうとする。

「痛ッ…やっ…!!」

思いっきり抵抗する。その姿に苛立ちを覚えて押し倒した後、自分のネクタイを外して忍足先輩の腕を頭の上で纏めて縛る。
さっき爪を立てた部分は傷付き、じんわりと紅く滲んでいた。
更にそこを抉る。

「い゙ぁあ゙ッ…も、堪忍してやぁ!」

「……さ……すよ…」

指をゆっくりと離し、立ち上がる。

「五月蝿いですよ!!少しは静かに出来ないんですか!?」

頬の辺りを思いっきり蹴りつける。

「うぁッ!!!」

無様に転がる忍足先輩の前髪を掴んで無理矢理こっちを向かせる。
切ったのか、口の端からは一筋の紅い流れが出来ていた。

「はっ…イイ様ですね…もっと傷付ければ誰も貴方に近寄らなくなりますよね…」

「ッ……」

「俺だったら例え貴方が傷物でも愛してあげますから」

手を離し、冷たい表情で優しく抱き締める。

「だからずっと側にいてください…」

首筋に顔を埋めながら言う。
すると無言で抱き締め返してきた。
そのコトに、思わず口端を上げて笑った。


end.









あーあー。やっちった。
今までギャグで済ませてたのに急に暗い。
つか途中裏に行きそうで危なかった。ザーッと打ってたらいつの間にやら変な方向に。
兎に角方向修正して回避。ふぅ。
他のお題もこうなったらどうしよう…

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