当{編
起きた
──何時、自分のアパートに帰ったのか、俺はベッドの上で目が覚めた。
いや、ここは何時も寝起きしている自分の部屋じゃない。
どこか古ぼけた感じの木造の天井が凸凹のない白くて綺麗な天井になってるし、身体の上にかかっている布団はとても手触りが心地いい。
もう一度夢の国に旅立ちそうになり、ハッと気付く。
「あ、学校」
ここがどこだかはまぁ置いといて、学校、学校行かなきゃ。
生活感があまりしない広い寝室の扉を開けて……更に壁がありました…。
「……壁?」
ペタペタと触ってみると温かい。そしていきなり抱き込まれた。
あ、人か……
「何してんだ、奏」
「ん?ガッコ、行かなきゃ」
「ククッ、寝呆けてんのか?今日は土曜だぜ」
その言葉にピタリ、と止まった。
どよう、土曜、土曜日?
あ、学校、休みだ。
あれ?
「ここどこ?」
「俺ん家」
即答してくれた相手を見る。
「誰?」
「はぁ、忘れちまったのか?それともやっぱ寝呆けてんのか?」
溜め息を吐いて言う相手から香ってきたタバコの匂い。昨日も公園で嗅いだ…俺の隣に座った人……あ。
「辰巳さん?」
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