当{編 A〜違反者には罰則を〜 「うん。うちの学校、時間には結構厳しくてさ。それなりの理由がある場合を除いて、遅刻一回目が注意、二回目に警告、三回目で指導室行き」 そこで一旦言葉を切り、また仙藤を見る。 「三回目無視して四回目以降が、指導室で教師と二人っきりより人によっては辛いその日担当の風紀委員からの強制雑用と遅刻の反省文。で、三回目でもあんまし居ないのに珍しい四回目遅刻した仙藤は俺の担当の時でさ。ついでに服装と頭髪も直してもらったってワケ」 「そうか。遅刻者に厳しいのは分かったが、コイツがそんな簡単に従ったのか?」 怪訝な顔して辰巳さんが仙藤を指差す。 うん。簡単とは言えなかったけどさ。 「……東条に上手く乗せられサボりを見つける手伝いと言う名の強制労働させられ、その後、容赦なく反省文を書かされ……反省文は口答え一回につき原稿用紙が一枚増えていくんだ……」 漸く話し出した仙藤は何処か遠い目をしていて、その顔は青白い。 「あの日は最初二枚だった原稿用紙が最終的には十三枚、だったかな」 「十三、てお前…」 最後の二〜三枚は『ごめんなさい、すみませんでした』って一枚丸々一面に書いてあったな。 [*前へ][次へ#] [戻る] |