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リハビリ的小説
B





普段沸点が高く、滅多に怒らない俺でもこれにはちょっとキレそうだ。


直ぐ様後ろを睨み付けるように振り向くが、そこには誰も居らず、そそくさと帰路を急ぐサラリーマンが行き交っているだけだった。


いや、しかし、俺の右足には違和感がまだくっついている。


そろりと視線を下に持っていき、視界に入ったのは、俺の右足のズボンを小さな手で鷲掴みにして抱きついている3、4才くらいの小さな女の子だった。


「えっ!?」


子供から近づいてきてくれる事が本当に少ない俺は内心歓喜したが驚きが勝り声を出すと、その女の子はパッと顔を上げ俺を見ると、可愛らしい顔を歪めて、クリクリとした大きい目に涙を溜め始めた。


「おじちゃん、だぁれ?パパじゃないの?パパのコートなの。パパいないの?」


「え?」


「パパ、どこぉ?パパぁ、ふぇ、ふぇええん!!」


ヤバイと思った時にはもう遅く、パパー!と言って泣き出したその子。


支離滅裂な言葉だが、きっとこの子のパパと似たコートを着ていた俺をパパだと思って抱きついてしまったんだろう。


つまり、簡単に言ってしまえば、この子は迷子になっていたんだと思う。


それは置いとくとしても、パパじゃなくてゴメン。謝るから泣くなよー!ついでに、おじさんじゃなくてお兄さんだから!


と内心パニクってしまった俺。だがそこは本来の子供好き精神が出てきてどうにかして泣き止ませようとした。







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あきゅろす。
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