リハビリ的小説
⑧
「えー！？ハンバーグはぁー？」
「スパゲティ食べたかったなぁ～」
「はるか、アイスたべたいの」
タカとカズが食べたかったものを言い、真似をして鷹臣に言うはるか。
なんか、父親に食べたいものを訴える子供の図って、こういったアットホーム的な雰囲気、いいよなぁ。
「あー。わかった、わかったから黙ってろ。今、松村に電話して……ん？留守電か」
松村、というのはさっきタカが言っていたさつきさんだ、といったのを後から聞いた。
ピッ！
『もしもし、お手伝いに行かせて頂いている松村です。
旦那様、申し訳ございませんがお暇を頂けないでしょうか。
実は妹が怪我をしてしまいまして、看病をしに行かなければならなくなりました。
妹は遠くに住んでいるので中々こちらに帰えれなくなるのです。
後３日で妹の所に発ちますので、それまでには私の後任を探してまいります。
それでは失礼致します。』
ピー……。
「｢｢｢…………｣｣｣」
「パパぁ、おひまってなぁに？」
双子は何となく意味がわかったようだが、幼いはるかにはわからなかったらしく、無邪気に尋ねてくる。
「……もう、家に来れなくなるってことだ」
「さつきおばちゃんこないの？」
「あぁ」
きっとはるか以外の頭の中では、『晩飯をどうするか』だろう。
［*Back］［Go#］
[戻る]
[小説ﾅﾋﾞ|小説大賞]
無料HPエムペ！
携帯モード]
[
URL送信]
