短編
片割れの存在
真っ白な部屋に少女一人。
「こんにちは?」
真っ黒な部屋に少女一人。
「こんにちは?」
「貴女が私の半分?」
「私は貴女の半分?」
白い少女の背後には太陽。
黒い少女の背後には月。
「私は太陽」
「私は月」
同じ顔。
違わない声。
「同じね。私と」
「同じよ。貴女と」
笑う少女と笑う少女。同じものが二つ。
同じでないものは?
「同じでないものは何?」
「違うものは何?」
「それは、私が私でしかないこと」
「貴女が貴女でしかないこと。そして、私であること」
「私は、貴女のココロがある」
「貴女は私のココロを持ち、私は貴女のココロを持つ」
「分かったわ。貴女が、私ね。もう一人の」
「えぇ。私が貴女ね。もう一人の」
「「私達が片割れの存在ね」」
白と黒が混ざった。
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