[携帯モード] [URL送信]
09

医務室の扉を軽くノックする

エドワードは中から小さく返事が聞こえてきたのを確認し、ゆっくりと扉を開ける




『………エド?』

「…よお。怪我、平気か?」




リタはエドワードの言葉にピクリと肩を動かし、『平気』と答える

けれどその視線は下を向いたまま

表情は読み取れない

エドワードは側にあった机をチラリと見る

その机の上にはリタがいつもしている眼帯




「………お前の過去、大佐から聞いた」

『ッッ!?』




下を向いていたリタと初めて視線が交わる

オッドアイの瞳には困惑の色が映し出されていた




沈黙が続く中、それを破ったのはリタ




『気持ち悪いでしょ?この目……』

「リタ…」




下を向き、呟くように発したリタの言葉は震えている

エドワードはリタの寝ているベットに腰を下ろすとリタの頭に手をおく

「気持ち悪くなんかねぇよ。リタはリタだ!それ以外の何者でもねぇ」

『エド…?』




思わず振り向いたリタの頭をぐりぐりと撫でるエドワード

そして太陽のような笑顔を見せた




「気持ち悪くなんかねぇよ」

「リタはリタだ!」




頭の中でエドワードの言葉が響く

左手から伝わる体温は心地よかった




『エド………ありがとう』




ロイにも、レイフにも言われてた言葉だったハズなのに

エドワードに言われた言葉が妙に心に届いた

…でも、嫌じゃない




リタは棚の上に置いてあった眼帯を手にとるとゴミ箱へ投げ入れる

そして突然の行動に目を丸くするエドワードに笑いかけた




リタの瞳がかすかにゆらいで見えたのは…

エドワードの気のせいなのでしょうか?





-END-

[*前へ]

9/9ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!