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03


カランカラン………




「こんにちはー。タッカーさん今日もよろしくおねがいいします」

「…あれ?」




翌日

オレたちはいつも通りにタッカーさんの家に行きベルを鳴らして入る

しかしいつも出迎えてくれたタッカーさんの姿は見えない

ニーナも、昨日泊まっていたハズのリタの姿さえない

「タッカーさん?ニーナ?」

「リタ、いるのか?」









「なんだ、いるじゃん」

「ああ君たちか」




僅かに開いていたドアを覗けばタッカーさんだけがそこにいた

いや、正確にはタッカーさんと一匹の獣




「見てくれ、完成品だ」




“完成品”




タッカーさんにそう言われた合成獣は教えてもらったオレの名前を復唱する




「エド、ワード…」

「すげぇ…本当にしゃべってる」




本当に合成獣が喋っていることに驚きながら、合成獣に近づく




「エドワード、お兄、ちゃ、」
「!?」




今、なんつった…?




頼む、




「タッカーさん。人語を理解する合成獣の研究が認められて資格とったのいつだっけ?」

「ええと…2年前だね」



この予想だけは…



「奥さんがいなくなったのは?」

「……2年前だね」




ハズレてくれ…ッ!




「もう1つ聞いていいかな



…ニーナとアレキサンダーどこいった?」

「!?」

「…君のようなカンのいいガキは嫌いだよ」




そのときのタッカーさんの冷めた表情を見て、オレの中のなにかが切れた




「兄さん!!」

「ああそういう事だ!!」




アルの声にオレは胸倉をつかむ力を強くする




「この野郎…やりやがったなこの野郎!!2年前はてめぇの妻を!!そして今度は娘と犬を使って合成獣を練成しやがった!!」




ニーナの顔がフラッシュバックする

どうして…ッッ




「そうだよな、動物実験にも限界があるからな。人間を使えば楽だよなあ、ああ!?」




怒鳴るオレにタッカーさんは声を少しうわずらせながら答える




「は…何を怒る事がある?医学に代表されるように人類の進歩は無数の人体実験のたまものだろう?君も科学者なら「ふざけんな!!」」
「こんなことが許されると思ってるのか!?こんな…人の命をもてあそぶような事が!!」




そのとき、あいつが狂ったように笑った




「人の命!?はは!!そう人の命ね!!

鋼の錬金術師!!君のその手足と弟!!

それも君が言う“人の命をもてあそんだ”結果だろう!?」




そう言われた瞬間、頭が真っ白になった



ゴッ…



気がついたら手が先にでていた

そして言われたことに頭がついてきてだんだん頭に血がのぼってくる




「がふっ…はははは、同じだ君も、私も!!」

「ちがう!」




違う…




「ちがわないさ!目の前に可能性があったから試した!」

「ちがう!」



違うんだ…




「たとえそれが禁忌であると知っていても試さずにはいられなかった!」

「ちがう!!オレたち錬金術師は……

こんなこと…
オレは…

オレは…!!」










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