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03

ゴーン―…


「あ、やべっ!読みふけっちゃった」




集中して読みすぎていた本から目を話すとアルフォンスとリタの姿が見えないことに気がつく




「アル!アルフォンス!」




アルフォンスの名前を呼んで本棚の角を曲がると

アレキサンダーが降ってきた




「ぎにゃ―――!!!」

「あ、兄さん」




エドワードの叫び声を聞いてニーナを肩車したアルフォンスとリタが姿を現した




「「あ、兄さん」じゃねえよ!お前らは資料も探さねーで何やってんだ!!」

「いやぁ、ニーナが遊んで欲しそうだったから…ねぇ、リタ?」

『ねー、アル』

「なごむなヨ」




いつの間にか仲良くなっている2人にイライラしながら怒鳴る

…ん?




「(…なんでイライラなんだよ)」




自分がとっさに思った感情の名に疑問をもつ

しかしそんなことを考える間もなくアレキサンダーに顔を舐めまわされたエドワード




「アレキサンダーもお兄ちゃんと遊んでほしいって!」

「ふっ…この俺に遊んでほしいとはいい度胸だ」



「獅子は兎を狩るのも全力を尽くすと言う……このエドワード・エルリックが全身全霊で相手してくれるわ犬畜生めッッ!」



ニーナの言葉に顔を拭きながら言ったエドワード

そして目をクワッと見開くとアレキサンダーとの追いかけっこが始まった




『…元気だね』

「そうだね…」




リタとアルフォンスはそんなエドワードの姿を見ながら呆れた顔で話していた









「大将、姫さん、迎えに来たぞ
…何やってんだ?」

「ああああああぅ」




ハボックが迎えに来ると、そこにはアレキサンダーに潰されたエドワード




『気にしないで少尉、ただの息抜きだから』

「そうそう!これは資料検索の合間の息抜きというか!」

「で、いい資料は見つかったのかい?」

「………」

「…………また来るといいよ」




リタの言葉に便乗して言えばタッカーさんに突っ込まれなにも言えなくなるエドワード

そんなエドワードを見てクスクスと笑うリタ


「お兄ちゃんたちまた来てくれるの?」

「うん。また明日遊ぼうね」

『約束するよ、ニーナ。また明日』




嬉しそうに聞いてきたニーナにアルフォンスとリタは笑顔で答える

約束だよっ!と笑顔で言ったニーナに手を振り歩き出す




「ああタッカーさん。大佐から伝言が。

「もうすぐ査定の日です。お忘れなく」だそうです」

「…ええ、わかっております」

『…?』




ハボックが言った言葉に頷いたタッカーさん

その表情を見ていたリタはひそかに眉間にしわを寄せた







「お兄ちゃんもお姉ちゃんも、大好き!」

「お前はリタと違って素直だなー」

「リタも素直になったらどうですか?」

『う、うるさ




『ハハ…なに思い出してんだろ』




ハボックに送ってもらってついた宿屋
ベッドに倒れこんだリタはニーナと会ってからずっと頭から離れないモノにため息混じりで苦笑いをする




『…顔でも洗ってくるか』




少しでもこの記憶を考えたくなくて、リタは部屋を出た




「『あ』」




そこで丁度部屋を出てきたエドワードと鉢合わせしたのだった







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あきゅろす。
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