03
『ま、こんなかんじかな。良い話ではなかったと思うけど…聞いてくれてありがとね』
「お、おぅ…」
それでも今の自分にリタにかける言葉が見つからないためエドワードはうつ向く
アルフォンスもエドワードと同様に、言葉が見つからない
『(ま、同情をされないだけまし、か)』
「辛かったね」
「可哀想に」
そんな言葉は聞き飽きた
辛かった?可哀想?ふざけるな、と言いたい
自分の辛さは自分にしかわからない
それを人に言われたくはない。
それをしないだけあの兄弟は良いのだから
「まったく…君達少しは仲良くしたまえ。コレから一緒に旅をすることになるんだ。警戒しあうな」
『「「はッッ!?」」』
突然のロイの発表に聞いていないぞ!とロイに詰め寄るエドワードとリタ
ロイはそんな二人にため息を漏らすと1枚の紙を手渡した
【リタ・ティペット
エルリック兄弟の旅に同行することを命じる
キング・ブラッドレイ】
「大総統からの…」
『直接命令…ですか』
「そうだ。目的が類似してるヤツがまとまっていたほうがこちらも都合が良い」
そんな風に納得せざるを得ない状況に眉間にシワを寄せる2人
そんな中アルフォンスがリタに質問をぶつける
「そういえば…目的が類似ってことはリタ、さんも賢者の石を?」
『リタでいいよ。1つは賢者の石を見つけること。もう1つは…兄の生死の確認』
指をおる仕草をしながら自分の目的を話していく
別に、兄がなにをしてようと、悪いことではないなら自分はなにも言うつもりはない
だけど生死くらいは確認したいのだ。そして元気な顔を見せてほしい
リタの真剣な眼差しにエドワードとアルフォンスはなにも言えなくなった
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