02
『私には双子の妹と年の離れた兄がいたの』
話だすリタは遠くを見つめながら言葉を繋いでいく
その目は昔を懐かしむような、それでも悲しい色をしている
『だけど“色々”あって妹は死んだ…私と兄はなんとか生き残った状況ね』
「色々…?」
色々。その言葉で大事なところを略したリタにエドワードは刺すような質問をする
その話はまた今度。と言葉を上手くはぐらかしたリタは悲しい瞳で話を続ける
『その時の悲しみは計り知れないモノだった。――――そして私は妹を生き返らせたいがために人体錬成を行った』
リタは真剣に話を聞く兄弟に苦笑して話を続ける
『対価は右目の視力と左腕…それと臓器を少し。錬成も成功なんてしなかった。
人体錬成に協力した兄も私と同じだけ持っていかれたわ』
『私がッ…私がコレを作ったの…?ッッ嫌だ!イヤだ!ああぁぁあぁぁああぁ!!』
「しっかりしてくださいリタ!!クソッ、血がッ……」
目を閉じれば鮮明に蘇る悪夢
いや、自分が一生背負う罪の記憶
『その後は記憶が曖昧でね、兄も…気が付いたらいなくなっていた』
苦々しい表情のエドワードに貼り付けた笑顔で笑いかける
この笑顔が偽りのものだということぐらい誰が見ても明らかにわかるものだった
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