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お金稼ぎといえば(オールキャラ)
再び演劇(オールキャラ)から一応続いています。










「今日一日お手伝いさせて頂きます、エステリーゼです」

「ユーリだ」

「ユナリア」

「リタよ」

「あら、助かるわ」

「ったく、オレはなんでこんなことしてんだか…」



事の発端は先日の演劇だった。派手に壊した舞台の修理費を稼ぐため、手っ取り早くお金を稼ぐ方法−つまり酒場の手伝いをする事になったのだ。
だが7人は流石に多すぎなので、半分に分かれる事になった。
この天を射る重星と、かつてバルボスのアジトだった建物の一階部分の酒場だ。



(エステル、ユーリの制服かっこいくない?……ねっ、ねこみみ!?)

(あ、ホントです)

「ん?何か言ったか」

「い、いえ何でもないですっ」



まさかユーリのねこみみに見惚れていたなんて、口が裂けても言えない2人であった。
隣ではリタがバカっぽい、と溜息をついていた。










「店員さーん」

「ちょっと」

「はーい」

「へいへい」

「あ、あの二人…」

「すごいです…」



やる気の無かったユーリとユナリアはかなり真剣に接客していて、リタとエステルは驚きを隠せずにいた。
しかし、事件は起こってしまった。



「おいあんた、金払ってねぇだろ」



ユーリの冷たい声の先に皆の視線が集中する。



「まさか…さっき払いましたよ」

「ふーん…あたしこの人見てたけど、店員にお金払ってたとこは見てなかったな」

「い、言い掛かりだっ!」



男はいきり立って反論するが、実際はお金など払っていない。



「ふーん…ねえお客さん、嘘つきは泥棒の始まり…って知ってる?」

「は…?」

「お前今、嘘ついて泥棒になってんだよ」

「ちっ…」

「おい待て、逃げんなっ!」



ユーリとユナリアは、逃げた客を追い酒場を出ていった。



「あいつ、逃げてよかったわね。逃げてなかったら、ユーリもユナリアも大暴れしてたわ」

「はい…」

「店員さん」

「っ、今行くわ」










「はぁ、はぁ…」

「待て泥棒っ!」

「って…お前も来たのかよ」

「2人居たほうが捕まえやすいでしょ」

「…そうだな」



2人とも足は速いので見失うことはないが、相手は食い逃げする程の者なので、一筋縄ではいかない。



「あいつ武器は持ってねえから結界の外には出ない。追い詰めるぞ」

「うんっ…。!?あれ、レイヴン…?」

「丁度いい。おっさん!そいつ捕まえてくれ」

「なっ!」

「ほいっと」



男は気付いて逃げようとするが時すでに遅し。レイヴンに首根っこを掴まれた男は悔しそうに唇を噛んでいた。



「ちっ、分かったよ。払えばいいんだろ」

「最初から払っとけよ」



男はユーリにお金を渡すと走って逃げていった。



「ねぇおっさん。お手伝いはどーしたの?」



ユナリアが満面の笑みで問うが、その目は笑っておらず、氷のように冷たかった。



「ちょ、ちょっと休憩だよっ。ジュディスちゃんや少年に任せきりはまずいっしょ」



レイヴンは2人から思い切り視線をそらしながら言った。



「ったく、しょーがねぇおっさんだぜ。ユナリア、行くぞ」

「あ、うん」

「もう行くの…おっさん寂しーっ」










「金貰ってきたぜ」

「ユーリ、ユナリア!おかえりなさい」

「ただいま」

「あら、わざわざありがとう。最近は食い逃げ多くて…でも人手不足で捕まえられなかったのよね。感謝してるわ」



店員が言うにあの男は食い逃げの常習犯らしい。
あの男も一度捕まればしばらくはしないだろう。



「あ、いえいえ」

「じゃ、そろそろいいか」

「ええ、お疲れ様。はい、今日のお給料」

「!?……ども」



ユーリは手に乗せられたお金の重さに驚きを隠せなかった。




これは貰い過ぎじゃねーか…?




「今日の食い逃げ男のおまけが入っているわ。本当にありがとう」

「ああ」



エステルは店員に会釈をしながら、ユナリアは手を振りながら、一行は酒場を後にした。










宿屋

「あー、疲れたな」

「これで舞台の修理費、払えるでしょうか」

「数えてみよう」



皆で袋からお金を出し、ゆっくりと数えた。



「これで……!!あと9000ガルド足りないっ!」

「…おっさん、明日てきとーに頼む」

「なんでおっさんが!?」

「おっさん、さっき外をフラフラ出歩いてたよねぇ…?」

「ぎくっ…何の話かなぁユナリアちゃん」



痛いところを突かれてとぼけるレイヴン。だが、同じ酒場の仕事を手伝ったジュディスやカロルは知っているはずだ。



「そうよ。休んでばかりだったんだから、そのくらいやってもらわなきゃいけないわよねぇ、カロル」

「そうだよ、レイヴン。やらなきゃ」

「ジュディスちゃんまで…」

「おっさん、うざい!文句言わない!」

「レイヴン…頑張ってください」



レイヴンに味方なし。



「なんでおっさんばっかりこんな大変なのー!?」










酒場ネタ、リクエスト貰ってたんで書きました。最初は酒場で乱闘騒ぎにしようかと思ったんです。劇場版は面白かった!でもこの間レストラン行ったときに何となく思い浮かんだので。
ユーリ、恥ずかしかっただろーなー。ねこみみで。wユーリの制服は原作では登場しないので、そのうちイラストUPします。

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