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TALES OF NOVASIS




すると、真っ直ぐに掲げられた手と垂直に光が棒状に集約し、形を成した。
男はそれの一端を握り、目を見開き右腕を強く体の横に振りおろす。
途端に、光はまるでメッキをはがすようにバラバラに散り、中から巨大な両刃式の剣が現れた。

金の鎖が交差するように巻かれた刃が天高く登る陽光に反射して煌めく。
とても常人では振り回せないほど重厚な大剣だ。

それを軽々と×を描くように振り、男はもう一度剣に目を向けた。
【この星で】久々に握る剣を体に馴染ませ、腕が衰えていないか確かめてみたが、これなら問題ないだろう。

『参ろう……』

男はそのまま戦場へと歩みはじめた。
ゆっくりと、覇気を纏いながら。


―――――…

『何者だ!』
『ここは戦場だ。民間人は避難しなさい!』
『おい、聞いているのか!?』

見知らぬ男がこちらに接近していることに気づいた共和国――青い鎧――の兵士は、男の介入を阻止しようと三人で男の前に立ちはだかった。
とはいえ、190センチ近くはあるであろう長身の男から見れば、立ちはだかるという表現はおかしいかもしれない。

男は三人の前で立ち止まった。
大剣の刃を下にさげ、興味なさそうに無表情のまま。

『貴様……道に迷ったわけではあるまい。この先が戦場になることは、前もって各国で公表されているハズだからな。何をしに来た』
『見たところただ者ではないな? 何者だ!!』
『お前、なぜ黙っている? なんとか言ったらどうだ!?』




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