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「……さーん、にーぃ、いーー「松本良太た、た、ただい、ま見参!!……ぜぇーすーぜーすーぜーすー……ひーひーふぅー。」…2分59秒88かー…残念。」
持ち前のBダッシュでチャラ男に魔王がいるところまで案内させて、ギリギリのところでスライディング。今は魔王の舌打ちは聞こえません!
あれ、息が苦しいなぁ…
そう言えばバーコードのメタボ先生に『極力運動は止めましょう。全速力なんって駄目ですからね。じゃないとーー…』とか、言われてたなー…俺魔王の為に寿命縮めちゃったじゃん!?
勿体ないことしたよ!!
俺の寿命のろうそくがーーっっっ!!!
くううぅぅぅー!!!
チキショー!
「良太君それじゃあ逆だから!吐いて吸ってじゃ苦しいだけでしょっっ!!しかも最後は複式呼吸じゃん、良太君妊婦!?」
「あぁー、成る程♪だから苦しかったのか!」
チャラ男の突っ込みに手をポンと叩いて納得したよ。
このくらいの運動なら大丈夫なんだな。
うむうむ、むふふう。
「ホントりぃーは…馬鹿。また、突っ込むところ違う。可愛い。…けど、汚いから起きな?」
そう言って朔は今だスライディングしてる状態の俺に手を貸してくれた。
流石に俺も地面に張り付く趣味はないなら有り難く朔の手を借りて起き上がった。
オマケとばかりに朔は丁寧にパンパンと制服についた砂埃を叩いてくれた。
「朔ありがと。」
「……ん。」
「…朔がこんなに話すとはね。この短時間で手懐けちゃったんだ。凄いと言うか流石と言うべきか。君は奇想天外のことをして面白いね。」
魔王の言葉に、きそうてんがい?はさて置き、確かにいつ朔が俺に興味を持ったのか不思議。
…まあ、考えるのは面倒だし、取りあえずこれで魔王を倒す一人目の手下を手に入れた!
ちゃーらちゃららら★
良太はレベルが上がった!
朔という巨大な壁を手に入れた。
良太は防御力がグーンと上がった♪
「…なつ、りぃーイジメるな。」
「うわっ!?ちょっっ!?あぶな!」
何故か朔に小さい子供を抱っこするように片手で軽々と持ち上げられてしまった。
いきなりだからバランスが取れず重力により地面に落ちそうなったけど、器用に朔がカバーしてくれたからそれはまのがれた。
景色が高いよー!
「虐めるとは心外だね。僕はただ信一を使って…命令…顎で使って連れて来てもらっただけなのになー。」
「それ、最初より酷いじゃん!そんでその間はなんなの!?もう俺は勘弁してよ!俺の携帯で気が済んだでしょっっ!!」
そう言ってグスンクズンと俺がさっきまでスライディングしていた地面に四つん這いになって本格的にチャラ男は泣き出した。
オプションに地面を叩いていた。
…どんだけ魔王恐いんだよ。チャラ男にはトラウマがかなり刻み込まれてるのかもね。
…くわばらくわばら、なーむー。
そっと俺は心の中で合掌したのだった。
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