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カチカチカチ―――。



掛け時計の秒針が一定的に動く音だけが部屋に響いていた。

室内は電気がついているのに薄暗く、白衣を着た汗だくの中年の男性と、学生服を着た少年がお互い向かい合って座っており、シリアス感を醸し出していた。



「…えー非常にお伝え難いことが。」

室内温度はクーラーによって涼しくなっているのにも関わらず男性は額に汗を大量に吹き出し、オドオドしていた。

「先生汗だくだくだよ。もしかしてメタボー?」

しかし、シリアス感もなんのその少年は事の重大さがわかっていないのか、少年は腹を抱えて笑い出した。


「コホン…落ち着いて聞いて下さい。松本良太君、君は世界で発症例が少ない重たい肺の病気です。」

額の汗をせっせと拭きながら言いづらそうに少年に伝えた。

「…ふーん。そっか。で、いつ死んじゃうの?」


男性の言葉に驚きはせず、他人事のように頷いて問いた。

「は、はい?」

勿論少年の反応に驚き、男性は手に持っていたハンカチを落としてしまった。


「だーかーらー俺の命はいつまで?って聞いているの。先生馬鹿?あ!俺は別に怖くないよ?これっててんめい(天命)ってやつでしょ?だったらタイムリミットまで楽しく愉快に過ごしたいじゃん。」

もう飽きたのか回る椅子を脚を使ってクルクル回り始め。


「はーぁ?…君は後半年の命です。病気の前例が少なく今の医療では手のつけようがありません。しかし、移植すればもしかしたら助かるかもしれませんが…どうしますか…?」


「だーかーらー話し聞いてた?俺はこのまま楽しく死ぬって言ったじゃん。なので移植も入院もしません。あ、因みに家には内緒ね?言ったら先生のお家に嫌がらせするから。ばいばーい☆」


妖艶に笑い、人差し指を鼻にあて内緒と言うポーズをした。

少年の家は所謂お金持ちなだけあって、男性は顔をだんだんと青白くなり何度も縦に頷いて肯定を示した。


「…せ、せめて毎週通院はし」

少年は男性が頷くのを見ると部屋から出て行ってしまったので、男性の言葉は大事なところで切れてしまった。





ふぅー面倒事終了!
あのバーコード爺加齢臭臭くて困ったね。


さてと、後半年の命かー…
何して過ごそうかな?
やっぱりみんなが出来なそうなことをやりたいしなー………




あっ、そうだ!
学園を征服してみよう!
俺馬鹿だけど、顔は整っている方だし、調度学園には美形崇拝制度みたいがあるし。




王様になってみんなに見守れながら死のう。
そしてピラミッドみたいのを造ってもらおう!






とにかく今日はこのまま授業をサボろうーっと♪




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あきゅろす。
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