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小説
料理男子 (恋だの愛だの)
「ねえ。何で初流くん。料理してるの?」
怪訝そうな顔の姉をちらりと見ただけで、初流はその視線を鍋へと向けた。
「ちょっと将来の為に」
「え?どうゆうこと???」
疑問が更に深まったためか、眉を寄せ、小首をかしげる姉の様子を視界の片隅にとらえながら、火を弱火にする。
あとは煮詰まるのを待つだけだ。

料理の出来ない苗床のために、今から勉強しておいて、将来困らないようにしようと思ったのだといえば、たぶん叫びだして失神するんだろうな。

出来たら食べてみてよと言えば、疑問を持ったことすら忘れ、上機嫌になった姉を見て、初流は、くつりと笑った。


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あきゅろす。
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