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小説
彼にとっての花は彼女
政務室の机に置かれた花器に活けられた花を見て、黎翔は微笑む。
昨日、夕鈴の髪を彩っていた花は、今ここにある。
昨夜の言葉を、夕鈴は冗談だと受け取ったようだが、事実、黎翔は毎回花を貰っていた。
この花があるだけで、頑張れるという気がした。

でも足りない。

最近はそう思う。

雑多に詰まれた書類を、見るともなしに眺めながら黎翔は考える。

どうするかな。

そして、黎翔は彼女を執務室に呼ぶことを思いつく。彼にとっての本当の花を、護るために。花をいつでも見れるように。


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