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M字教に染めてやんよ -DQ[-


「・・・ご列席の諸侯もご存知の通り、亡くなられた前法皇はあまたの祈りと涙に見送られ――」

エイトたちが聖地ゴルドの講堂に入ったときには、すでにマルチェロの演説が始まっていた。

「王とは何だ? ただ王家に生まれついた。それだけの理由でわがまま放題、かしずれか暮らす王とは?」


「ただ兵士には王のようにふるまうことは許されぬ。たとえその兵が王の器を持っておろうとも、生まれついた身分からは逃れられぬ。・・・そう、私もだ。不貞の子として生まれ、家を追われた身分怪しきものは法皇にふさわしくない、教会の誰もがそう言った。良家に生まれた無能な僧どもにしか法皇の冠は与えられぬのだ、と」

マルチェロは持っている杖で台の上のランプを払い落とした。

「ねぇ、何気にいいこと言ってるよね。M字教」

エイトが小さい声で呟いた。

「バカ! 何言ってんのよ!! M字教をナメちゃいけないわ!」

ゼシカも少し声を抑えて言った。
マルチェロの演説はまだ続いている。

「えー? でもさぁ、言ってることは間違ってないよー」
「何言ってんのよ!! 騙されちゃダメよ!! あれがM字教の手口よ!!」
「・・・お前ら、ちょっと黙れよ」

エイトとゼシカがもめているのをククールが止めに入ったその時だった。

「……選ぶがいい。我に従うか、さもなくば……そこにいる侵入者のように殺されるかだ!!」

マルチェロが突然、エイトたちのほうに杖を向けた。
会場にいた人全員の視線がエイトたちに集まった。
警備をしていた聖堂騎士団が剣を構えてエイトたちに迫ってくる。


「待ってください!!」


エイトは叫んだ。

「僕はMチェロ……いえ、Mチェロ様の演説を聞いて感動しました。そう、身分なんて関係ない! 身分だけを頼って遊びほうけているチャゴ……王族などいなくても同じ! 必要ないのですよ!! M字教万歳!! M字ハゲに栄誉あれ!!」

エイトは「ばんざーい」と大きな声で言いながら笑っている。

「染められとる――!!」

ゼシカはエイトについてきたことに酷く後悔したという。


もちろん、この後マルチェロとは戦いになりました(結局)


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