ちょこれーとぷりん。 ‐DQU‐
今日はバレンタイン。
ポルタとクッキーにチョコあげるの。
うふふ、喜んでくれるかしら??
プリンは可愛くラッピングしたチョコを2つ抱えて、ポルタとクッキーがいる部屋に向かった。
「ポルタ、クッキー♪ 今日は何の日か・・・ってあれ?」
プリンは部屋を見渡した。
しかし、2人の姿はどこにもない。
「あれ・・・? どこ行っちゃったのかしら・・・」
外にいるのかと思ったプリンは、部屋の外を探すことにした。
食堂、お風呂、講堂、庭、受付、思い当たるところを探したけど、どこにもいなかった。
「本当、どこ行ったのかしら・・・」
プリンは町を探してみることにした。
でも、武器屋にも道具屋にも民家にもいない。
町の噴水や広場なども探した。
でも、2人は見つからなかった。
2人を探していたら、日も暮れかけてきた。
「2人とも、私のチョコなんかいらないのかしら・・・」
プリンは街の外れにある花壇に座り込んだ。
可愛くラッピングしていたチョコも、くずれてしまっている。
(せっかくチョコ作ったのに・・・。汚くなっちゃった・・・)
プリンは目にうっすらと涙を浮かべてひざを抱え込んだ。
「なんだよ、こんなとこにいたのかよ」
聞き覚えのある声が頭の上から聞こえてきた。
プリンはそっと顔を上げた。
「お前がうろちょろするから、探したんだぞ!」
ポルタだった。
座り込んでいたプリンを見下ろしながらプリンにぶつぶつと文句を言っている。
後ろにはクッキーもいた。
「いやぁ、オレらさ、いつもお前に迷惑かけてるだろ? ・・・だからさ、その、なんつーか・・・」
珍しくうじうじしているポルタを、クッキーが押しのけて言った。
「ボクたち2人でね、プリンにチョコ作ったんだよ!! もう、ポルタってば料理ヘタクソだから大変だったんだよ1!」
プリンは一瞬驚いたが、すぐに笑顔になった。
そして、2人からチョコを受け取った。
1つはきれいな形をしていた。
おそらくクッキーが作ったものだろう。
もう1つは不細工な形をしていた。
ポルタが一生懸命作ったのだろう。
「うふふ、ありがとう、2人とも!」
すると、プリンはあっと思い出してくずれてしまったチョコを取り出した。
「これ・・・ちょっとくずれちゃったけど2人にあげる!」
プリンはチョコを2人に手渡した。
2人はチョコを受け取ると、プリンに言った。
「おう! サンキュー!! おおーっ! うまそー!!」
「わーい♪ チョコだー♪ ボクねー、プリンのチョコ大好きー♪」
ポルタはもらってすぐにチョコを食べ始め、クッキーはチョコを持ってくるくる回っている。
プリンはクスッと笑った。
「じゃあ、宿に戻って食べよ!!」
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