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ONLY GLORY
26球目:夢物語とは違う
いよいよ夏の大会も3回戦目へと入った。
秀二たち陵應学園は3回戦の会場である保土ヶ谷球場へと来ていた。


天気も不安要素の一切ない太陽の照っている青空。
むしろ今夏一番の暑さではないかという天気であった。

しかしそんな中、陵應学園ではちょっとしたアクシデントに見舞われていた。


「なにぃ?!桑野が爪を割った?」

「はい。キャッチボールで…」

驚きながら早川も説明を聞く京壹監督。
京壹監督は頭をかきながら先ほど書いたオーダーをクシャクシャと丸めると新しい紙を取り出しオーダーを書き出す。


(まずいな…残る投手はあと秀二しかいない…。)

深刻な表情をしながらオーダーを書く京壹監督は少し考えるもオーダーをすべて書き込み審判団へと渡すのであった。

そしてそのオーダーは。
1:達哉・二
2:田中山・遊
3:浦原・捕
4:晋太郎・一
5:秀二・投
6:早川・三
7:山谷・左
8:ザコ○ロ君・右
9:ザコ○ロ君・左

となっており今大会初先発の秀二がマウンドに上がる。
そして試合開始前になっても陵應の応援に来る者は現れずベンチに入らないマネのひかりと応援として浬音がいるくらいであった。


「もう誰も来ないってどういうことよ〜!!日曜なのに〜!!」

そう言い声を荒げる浬音と隣で静かに本を読むひかり。
そして両校がベンチ前に整列してると浦原が相手校のベンチ前にいる選手を見て驚いたような顔で言う。


「おい。あいつ等…」

そう言う浦原。
秀二が不思議そうに相手校のベンチ前を見ると秀二も驚いたような顔をする。


「あ。樋口…それに千石に神藤・・・・。そして北山?」

そう言う秀二。
そして挨拶のためホームベース前に集まると目つきの鋭い選手が秀二を見て言う。

「久しぶりだな。秀二」

「あぁ。中学んとき以来だな…樋口」

そう言いニッと笑う秀二。
どうやらこの目つきの鋭い選手は樋口という名前の選手らしく背中には3の番号が貼ってある。

そしてその隣の髪の毛の長い選手が言う。

「俺は全国だな。」

「そうだな。千石」

この髪の毛の長い選手は千石という名前らしい。
すると浦原はその千石の隣にいるスポーツ用の度の入ったサングラスをかけた選手に言う。

「てめぇ。誘ったのによぉ〜…」

「いやぁ。あはは…ごめんごめん。色々考えたんだけどさ…」

頭をポリポリ掻きながら苦笑いをするそのスポーツ用のサングラスをかける選手。
しかし浦原はフッと笑うという。

「ま。お前らも考えてることは一緒って訳だ」

そう言う浦原。
すると樋口は言った。


「いや違うな。お前らとは一緒にするな。俺らはこの地区で確実に甲子園へと行けるように選んだ道だ。お前ら見たく夢物語を語ってるわけではない。だから俺らはお前らの誘いを断った。」


そう言いベンチへと戻る樋口。
それに続くように千石や神藤が続くように戻っていく中、神藤は振り返り申し訳なさそうに言う。


「ゴメンね」

そう言いベンチへと戻る神藤。
それを聞いた陵應の選手はそのままグラウンドへと散っていった。


(クソが。夢物語だと?)

そういらだちを見せながら秀二のボールを受ける浦原。
そんな中、いよいよ試合が始まるのであった。


次回へ続く。


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