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ONLY GLORY
24本目:勝ってやる
11回を終え2−2の同点。
次の12回は秀二が光明・鳴海に二連打を浴びピンチを作られ神威がキッチリ送りバントを決め一死二三塁。

しかし9番草薙を空振りの三振に打ち取りツーアウトを取るも先頭の隼人に対しては際どいコースが取れず四球で二死満塁。
球場は大いに盛り上がりを見せるが秀二がその雰囲気を一掃するように天海陸斗を三球三振に奪いチェンジとした。


ワッと大歓声が上がる球場。
三振を奪った秀二は本日一番の雄たけびを挙げマウンドから降りていく。


力投を見せる秀二に応えたい陵應打線。
しかし神威を攻略できない。

4番から始まる打線も晋太郎が三振、続く秀二は3球目を弾き返しヒットを放つも6番池本がショート真正面のゲッツーに打ち取られてしまい12回も無得点となりさらに延長戦へ突入する。


13回表の天零の攻撃は3番沢村からであるが、沢村は4球目を打ちショートへのゴロでワンアウトを取ると4番の桜井は初球を打つもサードへの痛烈なライナーを片瀬がキャッチしツーアウト。
最後の南戸は秀二の決め球フォークで空振り三振を奪いチェンジとした。


マウンドから降りる秀二はやはり疲れが見えているのか汗の粒が大きくなっておりポタポタと頬をつたいながら流れる。
ここまで投球数は180球を投じており、おそらく秀二は限界にも来ている。

だが秀二はまだいけると言わんばかりの投球を見せている。
また譲る気もないようだ。


しかし13回裏の陵應の攻撃は中野・浦原・代打山谷と打ち取られてしまい13回の攻防も終了し試合は14回へ。


14回表の天零の攻撃は6番の光明から。
本日の光明はホームランを含む5打数2安打の成績。

右打席に入りバットを大きく構える光明に対し秀二の初球はほぼど真ん中へのストレートを投じ光明は思わず見送ってしまう。


「さっすが・・・えげつねぇな」


と苦笑いを見せる光明。
続く二球目・三球目とボールになりカウントはワンストライクツーボールとなり四球目。



「おっ・・・らぁ!!」


高めへ少し浮いたストレートを弾き返す光明。
打球は弾道が上がらずまっすぐ秀二へと飛んでいき秀二はサッとグラブを咄嗟に差し出すも打球はグラブの先に当たり秀二の田中山がカバーに入っていたため無人となったショートの定位置へと転がりサードの片瀬がボールを捕るも投げられずセーフ。
無死一塁とした。


打席へと向かうのは7番の鳴海。
その鳴海はネクストへと入る神威を見ると話しかける。


「神威。俺はお前とバッテリーを組んで本当に良かった。」

「え?どうしたの改まって?」

と驚きながら答える神威に鳴海はフッと笑みを浮かべるとバットをスッと持ちながら神威を背に話す。



「勝ってやる。お前の為に」





次回へ続く。


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あきゅろす。
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