ONLY GLORY
120発目:両エース
神宮大会決勝がいよいよ始まった。
先攻は秀二率いる関東代表の陵應学園に対し守備に着くのは東京代表の羅新学園。
そしてマウンドには今大会bPを秀二と争うといわれている羅新のエースである神嶋。
彼がマウンドに上がると球場からは大歓声が沸きあがるほどの期待の眼差しが注がれる中、打席に一番の達哉が入る。
ちなみにオーダーは
1:達哉・二
2:田中山・遊
3:片瀬・三
4:晋太郎・一
5:秀二・投
6:池本・中
7:浦原・捕
8:中野・右
9:本田(仮)・左
というオーダーである。
打席に立つ達哉。
(さて、神嶋の力はいかほ…)
そう考えながら構える達哉が神嶋を見た瞬間であった。
ズドンという音と共にミットへ叩き込まれるボール。
球場からはざわつきから一気に大歓声が沸きあがり、スコアボードの球速表示板には“150”の文字が出ておりさらに沸き上がりを見せた。
「でた神嶋の最速タイ!!これは調子がいい証拠だぞ!」
とスタンドで話し出す羅新のOB応援団らしきおじさん。
沸くに沸くスタンドであるがグラウンドの陵應ベンチはそれどころでは無かった。
150近く投げれる投手はいるにはいたが、今まで味わったことのない球威の投手。
すでに達哉はその雰囲気に呑まれてしまい一球もバットを振ることができずに見逃しの三振を喫してしまう。
そして続く好打者の田中山も…
「ストライク!!バッターアウト!!」
と田中山も空振りの三振。
そして三番の片瀬も一球もかすらせることなく三振を奪い、神嶋にとっては最高の立ち上がりを、そして陵應にとっては最悪の立ち上がりとなった。
攻守交代となりグラウンドに散らばる陵應の選手。
スタンドは先ほどの神嶋のピッチングで羅新一色になっていた。
「いやぁこれはもらいましたねぇ」
「えぇ、相手さんには悪いけど決勝で怒涛のコールド勝ちもありえますよ」
と自信満々に話す羅新OBらしきおじさんたち。
マウンドに上がる陵應のエース秀二は練習を終えると大きく深呼吸をすると目を見開き打席に立つ選手を見据える。
スタンドからは羅新を応援する大声援が沸き起こる中、マウンドの秀二は振りかぶり一球目を投じた。
その瞬間、球場が静まり返った。
ミットに飛び込むボールはもちろんストライク。
そして、スコアボードの球速表示板には
“150”の文字が表示されていた。
静まり返る球場。
そんな中、秀二は神嶋と同様に羅新打線を三者凡退に仕留めたのであった。
次回へ続く。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!