ONLY GLORY
119発目:決勝戦開始
神宮大会決勝当日。
秀二はいつも通りに朝起きて支度をして出発したがいいが、球場が近くなるにつれ今までに感じたことがない気持ちが出てきた。
「やば、これが緊張かな・・・すげぇドキドキして足取りが重い」
と独り言をつぶやきながら歩く秀二。
すると後ろからタッタッタッと足音が聞こえてくると彼の隣に一人の少女が息を少し切らしながら来た。
「お、おはよ」
息を切らしながら言う少女はヒカリ。
どうやら後ろ姿を確認してから急いできたようで息を整えている。
「お、おはよう」
と言葉までも少し緊張気味に感じる秀二にヒカリはすぐに気付いた。
「どうしたの?」
「あぁ、いやぁ・・まぁその」
とぎこちない返事を返す秀二にヒカリは少し間を置くもピンと彼が緊張していることを感じた。
「緊張してる?」
との質問に図星の秀二。
苦笑いを見せながらヒカリを見る秀二にヒカリはクスッと笑みを浮かべると少しモジモジしながらも秀二の肩に手を乗せながら背伸びをすると彼の頬に唇をつけた。
「・・・・へ?」
「これで緊張とけた?」
と顔を真っ赤にしながら聞くヒカリに秀二もボッと顔を赤くしながら小さく頷くと、ヒカリも今更ながら恥ずかしくなったのか小走りで逃げて行ってしまった。
1人ポツンと残された秀二は口をつけられた頬を手のひらでさわりながら呆ける。
「いや確かに緊張はフッとんだけど…これはぁ…」
と顔を赤くしながら歩き出すのであった。
そして神宮球場。
すでに球場は多くの観客で埋まっており試合開始を今か今かと待ちわびていた。
そして選手たちも球場入りをしておりベンチ裏でグラウンド整備を終えるのを待っていた。
そんな中、秀二に浦原が話しかける。
「秀二気分は?」
との問いかけに先ほどの出来事を思い出す秀二。
彼は頬をかきながら言う。
「あぁ、絶好調だよ」
「そうか、そりゃ良かった」
と笑いながら話す浦原。
すると秀二はボールを手に持ちながら話しかけた。
「うん。今日はとても気分が良い。さっきまですげぇ緊張してたけど」
「緊張?」
「うん。たぶん生まれて初めて緊張した。」
「確かに。中3の時の決勝でも始まる寸前までお前寝てたしな」
と笑いながら話す浦原に秀二も笑う。
思いっきり笑った二人は互いに顔を見合わせながら握り拳同氏をコツンと合わせる。
「ではグラウンドの方へお願いします!!」
と球場役員の案内が流れると秀二たちは立ち上がり監督の後をついていくように選手たちはグラウンドへと向かう。
球場に中に入るとスタンドにはすでに満員御礼。
グラウンドに現れた線出来を見つけると大きな歓声を浴びせる。
「いよいよだなシュウ」
「うん。やってやんよっ!ってね」
とニッと笑みを浮かべながら秀二はベンチへ荷物を置き、グラブを手に持つのであった。
次回、決勝戦開始。
続く。
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