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ONLY GLORY
117発目:ビックイニング
「お前、どういうことだよ」


と山谷に食ってかかる達哉。
山谷は少し戸惑いながらも達哉を引き離し、話す。


「いや、アイツ初球はほぼ必ずと言っていいほど初球にストレート投げてくるぜ?特にアイツにとっての格下に対しては。証拠に下位打線やあと達哉には初球必ずストレートを投げてた」


と話す山谷に少し感心をする選手たち。
そんな中、名指しをされた達哉はマウンドの日向を見ながらニッと笑みを見せる。



「そうとわかりゃあ…」


と呟き打席へと向かう達哉。
打席に立つと日向は山谷の言った通り達哉を“お前ごときに打てない”と言わんばかりに見下すように睨む。
そしてその日向の一球目であった。



キィィン…



「なに!?」


達哉の思いっきり叩いた打球はピンポン玉のように弾き返されていきなんとそのままレフトスタンドへと飛び込んでいった。
茫然と白球が弾むレフトスタンドを見る日向。

また打った達哉も驚きながらダイヤモンドを回りホームイン。
ベンチでは帰ってきた達哉を手荒く迎える。


「クソッ!クソッ!」


と強くマウンドを掘りながらぼやく日向に森宮がなだめに行くと“大丈夫”と言い追い返す。
しかし日向にとっての地獄が始まった。
続く2番の田中山は意表を突くセーフティバントをし三塁への内野安打を放つと次の3番の片瀬。
その片瀬は二球ほど待った後の三球目に田中山がスタートを切り打者の片瀬は打ちに行きヒットエンドランを仕掛けると打球はライトへと抜けていくヒットで田中山はそのままサードへと行き一死一三塁とチャンスを作り4番の晋太郎。


完全に動揺をしている日向。
森宮が思わずマウンドへと向かいなにか話すも日向は耳に入っているのかわからない状態。


そしてその初球、晋太郎は甘く入ったストレートを弾き返しライト線へと抜ける2点タイムリーを放った。
これで勝ち越しに成功し陵應は沸きに沸く。

だがここで攻撃は止まらない。
5番の秀二はキレが無くなった日向の宝刀スライダーを打ち返しライトへとタイムリーを放つと続く池本もストレートを叩きセンターを越えるタイムリーツーベース。
さらには7番の浦原がライトへのヒットを放ちその間に二塁ランナーの池本が帰るタイムリーを打ち6点目を入れたのである。

「・・・」

マウンドで茫然とする日向。
すると雲仙ベンチが動きついにここで交代となった。



「クソが!!」


とベンチに帰るなり怒りを露わにしながら壁を蹴る日向。
その日向はベンチにドカッと座り込むと一人タオルを顔にやりタオルを濡らすのであった。




ピッチャーが変わり打席には中野が立つも中野は打たされてしまい内野ゲッツーとなりチェンジ。
しかし、陵應打線が大爆発し一挙6点を入れるビックイニングを作ったのであった。




次回へ続く。


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あきゅろす。
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