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ONLY GLORY
21球目:おかげさまで
いよいよ夏の大会が始まった。
開会式を終え試合は各々始まっていく中、陵應の出番は大会3日目の第2試合。




そしてその試合の日はあっという間に迎えた。
球場のベンチの前で並ぶ陵應の選手たちに京壹監督はオーダーの書かれた紙を見て読み上げる。


「よし。今日のオーダーな」


1:達哉・二
2:田中山・遊
3:浦原・捕
4:晋太郎・一
5:秀二・中
6:早川・三
7:山谷・左
8:ザコ○ロ君・右
9:桑野・投



というオーダー。
またベンチの記録員には叢が入っている
そして京壹監督は以前教頭との話を選手たちにすると選手たちは笑っていた。


「それマジすか?」

「あぁ。マジだ」

浦原の問いに京壹監督が答えるとさらに笑う選手たち。
そして笑いをやめると早川が円陣を組んだ中心で言った。



「よし。じゃあ教頭にいい知らせを持って行ってあげよう」


『はい!!』


そう揃って声を出し並ぶ選手たち。
また相手の選手たちはすでに勝った気でいるのかヘラヘラとしながら並んでいた。

そして審判がホームの前に集まると集合の号令。
この号令に両校の選手たちはホームベースへと集まり挨拶を交わした。



『よろしくお願いします!!』


大きな声であいさつを交わす両校の選手。
しかしいまだに相手校の選手たちは陵應の選手たちを見るやヘラヘラと笑っている。


(あいつ等もう勝った気でいやがるな?)

そう思いながらガチャガチャとプロテクターに身を包みながらホームベースへと走る浦原。
そして浦原は主審の人に挨拶をするとホームベースの前に立ち大きく息を吸い叫んだ。



「一回!!しまってこうぜ!!」



『おぉ〜!!』

そして、彼らの初めての夏の試合が始まったのであった。



……



そして翌日。
陵應学園はいつもの朝を迎えていた。


ここ職員室でもいつものように朝を迎えていたが教頭はニヤニヤと笑みを浮かべながら誰かを待っていた。
すると…


「やぁ春瀬君おはよう」


ガラッと戸を引きながら入ってきたのは京壹監督。
すると教頭はニヤニヤと笑みを浮かべながら京壹監督に近づくと話しかけた。


「よく学校に来たじゃないか。」

「あ。そうでした言うのを忘れてましたね」

教頭の言葉に気づいた京壹監督はカバンを開けると何かを探しだす。
それを見ていた教頭はニヤリと笑い言う。


「お。もう退職届とは仕事が早いね。」

そう話し笑う教頭。
そして京壹監督は一枚のプリントとDVDを取りだすとそれを差し出し言った。


「おかげさまで12−0で勝ちました。はいこれ試合を撮ったDVDとスコアを書いたプリントです。」

その言葉にポカンとする教頭。
すると京壹監督はプリントとDVDを教頭に持たせると言った。


「ではこれで我々には今後一切何も言わないでください。練習の邪魔ですんで」

そう言いスタスタと自分の席へと行く京壹監督。
そして教頭はまだポカンとしたままであった。


そして場所を移して教室では勝った言うのにかなり冷めており誰もその話題には触れてもいなかった。


「何よ勝ったのにこの冷めよう」

「まぁしょうがないよ。誰も観に行ってないんだしさ。」


文句を言う浬音に苦笑いをしながらなだめる秀二。
すると隣で座っていたひかりが秀二を見てポソッと呟く。


「でも私たちは見ていた。」

「あはは。ありがと♪」

そのひかりの言葉に笑みを浮かべながら言う秀二。
そしてそれを見ていた浬音は驚きながら秀二に言う。


「シュウ。よくこの短期間でひかりと話せるようになったわね」

「え?そう?」

照れ笑いをしながら言う秀二。

「そうよ。私は別だけど、大体半年はかかるわよ?」

そう話し苦笑いをする浬音に秀二は頭をポリポリと書きながら照れ笑いをするのであった。



夏の初戦を大勝で飾った陵應学園。
このまま突っ走れるか?!


次回へ続く。


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あきゅろす。
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