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ONLY GLORY
75球目:村神秀二ただ1人です
聖陵の面々と食事会を行う秀二たち。
そんな中、隆彦がこんな質問をぶつけた。


「村神と神坂って憧れの選手とかいるのか?」

そう質問をぶつける隆彦。
この質問は他のみんなも気になるところで聞きたいところである。

「俺はレッドソックスの松坂選手ですね。あと…」


最初に発言をしたのは秀二。
まず彼の口から出たのはメジャーでも活躍をする松坂大輔選手。
そして彼は続けて話を続けた。


「あとは…俊哉さんです。」

「おれ?」

まさかポジションの違う自分の名前が出てくるとは思わなかったであろう。
俊哉はキョトンとしながら自分を指さすと秀二は頷き話を続ける。


「はい。人として尊敬してます。それに世界大会でも不調の中で戦い続けた事は凄いと思います。」

「なんか…照れるね」


照れながら話す俊哉。
すると隆彦が笑いながら俊哉の頭をグリグリとかき回しながら言う。


「お前後輩にはホントモテんのな。横浜高校の山口にウチの琢磨。そんで大阪桐蔭の浅村に常葉菊川の町田。あと知ってっか?ウチの1・2年の女子にも結構モテてるぞお前。」

笑いながら言う隆彦。
それに便乗するように優衣が話す。


「ウチもバスケ部で後輩がメアド教えてってうるさかったよ〜」

「水泳部も…」

そう笑いながら言う優衣に明菜。
その話を聞いて照れる俊哉は秀二を見ると尊敬のまなざしで見ていた。


「えっと…まぁ…嬉しいかな」

照れ笑いをしながら言う俊哉。
すると明弘が話を変えるように神坂を見ながら言う。


「お前は?」

そう話を持っていく明弘。
それに神坂は少し間を空けると口を開いた。


「自分は…憧れの選手を作らないようにしてます」

その言葉にポカンとする聖陵の選手。
秀二は分かっているかのように普通にしていた。


「憧れを作るのは良いことです。ですが自分は憧れを作ったらいずれ、その人とライバルになることになります。ですから自分は憧れを言うより…ライバルを作ります。」

そう言う神坂。
それに明弘は切り返す。


「じゃあ…ライバルは?」


そう鋭いまなざしで見る明弘。
しかし彼の内心では自分の名前が出ることに少しばかりの期待を寄せていた。


「自分…俺のライバルは…村神秀二ただ一人です」

そう秀二を見ながら言う神坂。
その回答に明弘は少し残念そうにしながらも話を続ける。


「ただ一人?」

「えぇ。唯一打った事のないピッチャーが村神のみだからです。」

「それはホームランか?」

「いえ。ヒットです。自分はホームラン意識してないので…」

どこか納得したように頷く明弘。
そして彼は秀二を見て神坂の発言は嘘ではないことを実感していた。


こうして食事会の時間が過ぎていき終了。
彼らはレストランを出ると駅まで向かう。


「俺はもう帰るわ。明日午前練習の後に午後から試合だからな。」

そう言いだすのは神坂。
どうやら先ほどメールが来たようであり申し訳なさそうに話す。

「そか。じゃあね。」

そう言い手を振る秀二。
すると神坂は突然明日香の所へと近づくと明日香は少し驚きながら構える。

「えと…コレ」

そう言い紙きれを差し出す神坂。
それにどこか不信に思いながらも恐る恐るその紙きれを受け取ると神坂はお辞儀をしてそのままホームへと向かっていく。

そして明日香は少し紙をめくりながらのぞくと、中にはメールアドレスが書いてあったのである。
この展開にかなり驚く明日香。
その後ろでは弥生がニッコリと笑みを浮かべていた。


(ウチの作戦勝ちや♪神坂君に言うとって良かったわぁ)

そう心の中でガッツポーズをする弥生。
そして別の場所では俊哉が秀二とヒカリに話しかけていた。


「2人は、今日家に泊ってく?村神君は俺ん家でヒカリちゃんはマキん家」

「え?!でも悪いですよ」

「大丈夫♪」

焦る秀二に笑顔で言う俊哉。
そして彼はヒカリを見るとヒカリはグッと親指を立てながら言う。


「私は構わない」

「あ、そう…じゃあ…お言葉に甘えて…」




こうして。
秀二とヒカリは俊哉とマキの家に泊ることとなったのである。


次回へ続く。


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