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ONLY GLORY
72球目:去年の決勝以来の顔だな
八回裏に俊哉から痛いタイムリーを打たれ3点差と点差を広げられてしまった陵應。
この結果に落胆する陵應ベンチ。


「流石横山…最初からストレートしか狙って無かったか」

これで3点差となり秀二は思わず膝を落としてしまい地面についてしまう。
ここでスタミナ切れか…そう思わせるグラウンド。


「シュウ!!」


そう言いながらマウンドへと駆け寄る浦原であるが、秀二はすぐに立ち上がると笑顔を見せ手を振る。
そして打席には四番の明弘。


「ここで俺が決めてやる」


そう呟きながらバットを構える明弘。
すると秀二はフッと顔を上げると空を見上げジッと見つめる。


そして顔を下げるとキッと明弘を睨みつけると一瞬明弘はひるんだ。


(なんだあの威圧感は…スタミナ切れからくる悪あがきか…それとも…)


そう考えながらバットを構える明弘。
その明弘に対しての初球…



ズパァァン…


「ストライク!!」


初球はストレートのストライク。
得意のストレートではあるが明弘はピクッと動くもバットを振れなかった。


(今の球威は…俺が今まで出会ったことのない球威だ。)


そして二球目もストレート。
これを明弘は振りに行くが掠らずストライク。


これでツーストライクとなってしまい追い込まれる明弘。
また明弘は秀二から出ているオーラというものに呑まれていた。


そしてその光景を見ていた神坂(久しぶりの登場)は腕を組みながら呟く。


「去年の決勝以来の顔だなシュウ。でもあぁなったシュウの投げた球は…」



ズパァァン…


「誰にも打てない…」



神坂の宣言通りの三振。
これで明弘を三球三振に打ち取ると秀二は黙りながら右腕で小さくガッツポーズを作りマウンドを降りて行く。


「あのやろ…」

悔しそうにしながら呟く明弘。
しかしこの八回の裏に俊哉のタイムリーで1点を加えたのである。


「トシナイス♪」


グラウンドに向かいながら俊哉に言う望月。
すると俊哉は望月とグラブタッチを交わすと笑顔で言う。


「いやぁやっと彼のストレート打ったよぉ」

「いやいやあのフォーク打てただけでも凄いって」

「ん〜。でも、明弘に見せたピッチングも打ってみたかったかな」

そう言い外野へと走り出す俊哉。
望月はその俊哉の背中を見つめながら望月は笑みを浮かべながらマウンドを慣らす。


そして最後の攻撃となるのか九回表の陵應学園の攻撃は二番の田中山。
聖陵のマウンドには八回に続き望月。


「プレイ!!」

試合開始の声が響きいよいよ試合開始。
サインを出す隆彦。
その隆彦のサインに頷いた望月の田中山に対しての初球…



キィィィン…



「え?」

「あれ?」

「どうだ〜」

投げたのはスライダー。
しかし田中山はそのボールをフルスイングすると舞い上がった打球はセンターの俊哉の頭を越えていきホームランとなったのであった。


この結果に呆然とする望月らではあるが、このあとの集中力を切らさないのが彼らである。
続いて勢いに乗りたい陵應打線であるが三番の浦原をショートゴロに打ち取ると次の四番の晋太郎を…



ズパァァン…


「ストライク!!バッターアウト!!」

なんと今日3つ目の三振を喫してしまった晋太郎。
これでツーアウトとなってしまい打席には五番の秀二。



望月は大きく深呼吸をするとセットポジションから一球目を投じた。



キィィン…


次回へ続く。


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