ONLY GLORY
70球目:ピッチャー鈴木に代わって…
六回の裏についに逆転を許してしまった陵應学園。
しかし秀二はさらに崩れることなく五番の義隆を三振に打ち取りマウンドから降りるも彼の表情は悔しさがにじみでていた。
そして試合は七回へと入り陵應の打線は三番の浦原から。
その浦原への三球目…
キィィィン…
「よぉし!!」
先頭の浦原が上手く康廣のストレートを弾き返しレフト前へのヒット。
無死一塁とし打席には四番の晋太郎。
だが…
ズパァァン…
「ストライク!!バッターアウト!!」
四番の晋太郎は三球三振。
これで一死となってしまい打席には五番の秀二。
(やっぱストレート走ってるなぁ。でも…)
そう考えながら打席へと入る秀二。
その秀二に対しての初球…
キィィン…
「うお!?」
おそらく今日最速であろう康廣のストレート。
しかし秀二はそのストレートを完ぺきにミートすると康廣の横を抜けていきセンターへと転がって行った。
このヒットに隆彦は驚きを越えて感心していた。
(今日一番のストレートを完ぺきに返すかね…ったく。アイツは天才かよ・・・)
そう考えながら一塁の秀二を見てため息をつく隆彦。
これで一死一二塁とする陵應学園ではあるが次の六番山谷、七番打者といとも簡単に三球三振を喫してしまいチャンスを無駄にしてしまった。
「あ〜…もう!!」
怒りながらベンチに戻る浦原。
それに秀二は笑いながらかれの怒りを抑えるのである。
ベンチに戻り攻撃への準備をする隆彦。
すると彼は気づいた。
「そうか。あいつ等…良い選手がそろってはいるけど下位打線がそいつ等に比べてレベルに達してないんだ。だからチャンスを作ってもものにできないのか…。」
そう理解を示す隆彦。
それは陵應ベンチの京壹監督も十分に承知をしていた。
だがこれが現実でありこの今ある戦力で100パーセントを出さなければならない。
(やはり下位に入るとな…来年にいい選手が入ればいいがそう言う引き抜きをするところでもないし…)
そう腕を組みながら考える京壹監督。
そして試合は七回の裏の聖陵の攻撃となり先頭の内田はストレートを運んでヒットを打つも次の康廣は三振を奪い一つ目のアウト。
そして八番の池田をショートゴロのゲッツーに打ち取りチェンジとしこれ以上の失点は許さんとばかりのピッチングを見せつけベンチへと戻る秀二。
こうして八回へと進み…
聖陵のベンチが動きを見せ山崎監督が審判に告げた。
「ピッチャー鈴木に代わって…望月」
次回へ続く。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!