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ONLY GLORY
68球目:勝負しようよ
俊哉のファインプレーなどで三人で終わって六回の表の攻撃が終わりその裏の聖陵の攻撃は八番の池田から。
しかしマウンドの秀二は前の回で見せた俊哉のファインプレーに燃えていた。




ズパァァン!!


「ストライク!!バッターアウト!!」


何と池田を三球三振。
これで一気にひとつアウトを取り流れを戻しつつある。


(よし。先頭からの三振は良い流れだ。)


受け取る浦原はそう確信する。
そして打席には九番の青木。


(この人は塁に出さなきゃ怖くはない。)


そう考えながらサインを出す浦原に秀二はコクリと頷くと振りかぶり一球目を投じた。



(いきなりバント…!?)


初球からバントの構えを見せてきた青木。
しかしボールは高めへのボール。
これを無理に打とうとすれば逆にフライになってしまう。
だが青木はバットを引かずに…



コン…


(当ててきた?!)

高めのボールを当てにきた青木。
バントされた打球はキレイに三塁線へと転がっていく。

「サード!!」


マスクを外しながら指示する浦原。
しかしスタートが遅れたサードの山谷はやっと捕球をするも間に合わずセーフとなってしまった。


(マズイマズイ…青木さんを塁に出しちまった!!)

一番塁に出したくない青木に出塁を許してしまった秀二・浦原バッテリー。
一死一塁となり打席には先頭に帰り隆彦。
ランナーの青木はジリジリとリードを取り秀二は牽制を入れて行く。


(いつ走る…)


そう考えながら青木を見て行く秀二。
そしてそんな中の初球。



「ランナー警戒して…棒球だぜ!!」


キィィン…


「うわ!?」


投げられた棒球のストレートを弾き返した隆彦の打球はピッチャーへの当たり。
秀二はかろうじて打球をグラブを差し出し当てるも打球は勢いを失いながらショート方面へと転がり田中山がこぼれたボールを捕るもどこにも投げられずオールセーフとなる。


「うそぉ…」


苦笑いをする秀二。
そんな中、打席に向かうのは山本。
かなり打ち気な表情を出す山本であるがベンチからのサインを見てどこか不服そうにするも打席へと入るとスッとバントの構えをした。


(やはり送るか…そしたら)

そう思いながらチラッとネクストを見るとそこには俊哉の姿。
秀二もまた俊哉を見ており緊迫感にあふれていた。



そして・・・


コン…


「晋太郎!!」


上手く一塁線へと転がし晋太郎に捕らせて一塁はアウト。
しかしこれで二死ながら二三塁となり打席には俊哉が向かう。


「俊哉さん…」


そう呟く秀二。
するとマウンドに内野陣が集まってきた。


「どうすんだぁ?」

ポリポリと頭をかきながら話す達哉。
すると晋太郎が隣で言う。


「あの人がチームで一番危険だ。敬遠をした方がいい。次の明弘さんなら俊哉さんよりもまだ…」


そう話しかける晋太郎。
しかし秀二は彼の口にグラブを押さえつけるとニコッと笑みを浮かべながら言う。


「ううん。勝負しようよ。こんな機会めったにないよ?ここは勝負しなきゃ」

そう話す秀二に周りの選手たちはお互いの顔を見合わせるとニッと笑みを浮かべると達哉がバシンとグラブを叩きながら言う。


「おっしゃ抑えてこうぜ!!」

「うっしゃああ!!こっち打たせろ!!」


達哉に続いて守備位置に戻る山谷。
そして田中山がテトテトと守備位置へと戻ると最後に晋太郎が…


「すまないなシュウ。」

「いやいや。これが公式戦なら俺は晋太郎と同じ選択をしてたよ。こちらこそありがと♪」

そう言い笑顔を見せる秀二に晋太郎もニッと笑い守備位置へと戻ると浦原がポンとミットで秀二の胸を叩き言う。


「おし。抑えようぜ!!」

「おう!!」




次回へ続く。



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あきゅろす。
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