[通常モード] [URL送信]

虹色模様
台詞


それから得に話すこともなく
ただ男の人の背中に着いて行った
沈黙の中でも、不思議と穏やかな雰囲気が流れていた
優しい雰囲気の人だなぁ〜

なんて思ってると



「わっ!」


男の人が急に止まったから背中にぶつかった


「全く…さっきといい、
ちゃんと前を向いて歩かないといけないじゃないか。」

「ったく、どこ見て歩いてんだよ?」
 
 
 

・・・!!
大きく息を飲み込む
男の人の言葉が、あの人の言葉と重なった


「ほら、手かせよ」


引っ込め!私の記憶!



「え、へへ!すみません…っ」


「・・・?着いたよ、職員室。」


「あ、はい。すみません行きますね」


そう無理矢理笑顔を作って職員室へ駆け出した。




「分かんないな・・・」



遠くで男の人がそう呟いてたなんて知らずに。






それから私は職員室とかかれた看板の前で立ち止まった
あぁ…何でこんなときに。
心が曇る
あの人のことは忘れたはずなのに


あーダメだ!忘れよ忘れよ!
私は無理矢理記憶を押し込んだ


よしっ行こう!


「失礼しますっ!!!」


いつもなら緊張で戸惑う場面だけど、今は何もかも踏ん切りたくて思い切り職員室のドアを開けた



「・・・」


あれ?誰もいない。
せっかく言えたのに!!!
も、もしかして場所違うの!?
なんて思ってると



「もしかして・・・転校生かの?」


と後ろから声がした
振り向くと、そこにはきばつい銀髪を横に束ねた男の人がいた


え…私に話しかけてるんだよね
この人、人見知りとかしないの!?


「ははは、はい!」

うわっ噛みすぎ!


「フッ今は始業式じゃき誰もおらんよ。お前さん初日に遅刻なんて悪い奴やの」


なんとも独特な話し方で淡々と話されるその内容は余りにも残酷で。
職員室の時計を見れば、約束の時間を過ぎていた


「なっどどどどうしよう!
あっ貴方は出なくていいんですか…?」


「俺は特別ぜよ。」


とっ特別!?
何、もしかして理事長の孫とか!?
とんでもない人と話してるの!?


「フッ……
全部声出てるき」


「え?」



「プリッ」


プ・・・プリ!?


「ハハッ
お前さんおもろい奴やの。まぁもうすぐ終わるやろうし、ここで待っときんしゃい」


「あ、はい!あr」
"ありがとうございます"

そう言おうと思ったとき



「おーい!そこにいるのは栗栖か!?」


と誰かの声がし、振り返る。
そこには息を切らして走ってくる初めて見る顔の男の人がいた





 


[*←][→#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!