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High&Low
その後・23歳D



「…何隠した?」

光くんが詰めよるので、背中に隠した光くんのドラマDVDをカーペットの下に入れた。

『な…何でもない…』

「だったら隠すなよ」

それは、光くんが主演した恋愛ドラマのDVD。

『光くんが見たって楽しくないから…』

見つかったら嫌がられると思って必死に隠した。

『真人さんが言ったの…ウソだよ。ヘンなことなんて何も…』

そう言ってうつむく。
真人さんとの電話中に、ドラマに感動して泣いてしまったが、それを光くんに言われるなんて思わなかった。

真人さんのバカ…。
寂しくてたまらなかった…なんて光くんに言っても仕方がない。

『それより撮影で…疲れてない?お風呂わいて…』

すると、光くんが目の前でひざ立ち。
かなりの至近距離で目の前には光くんの胸板。
見上げると、

「より…」

光くんがほほを撫でて、指で唇を触る。

『!』

なんだか恥ずかしくて、顔が赤くなっていく。
うつむこうとすると、首に右手を回されて無理やり上を向かされた。

『…ん…』

久しぶりのキス。優しいキス。
光くんの舌に深くをかき回されると、頭がクラクラする。
でも、嬉しくてたまらない。

「…今日、キスシーンがあった」

『!』

唇を離した光くん。おでこはくっつけたまま。
鼻もくっつきそう。

「…でも、よりとのキスみたいに噛み合わなかった」

『?』

私が意味がわからずにいると、光くんはクスッと笑ってカーペットに押し倒す。

「キスの相性、より以上はいないよ」

『!』

恥ずかしさと嬉しさで真っ赤になる。

「より…」

ほほを撫でるから、キスされると思った。
キスシーンの後と聞いたのが少し嫌だったが、思い切って目を閉じたのに光くんの身体が離れた。

『?』

そっと目を開けると、光くんはカーペットの下に隠していたDVDを手にしていた。
このために押し倒したんだと思って慌てて…

『あ…ダメッ!』

急いで起き上がり、光くんから慌ててDVDを奪ったが、光くんはパッケージを見たようだ。
自分の主演ドラマのDVDに少し驚いている。

「……俺…の?」

光くんがこっちを見たので、光くんに背中を向けて体育座り。

『……違う…もん』

私はDVDをぎゅっと握りしめた。

『このドラマ…好きな女優さんが出てて…』

「!」

『光くん見てたんじゃないもん…』

言って後悔した。
これじゃあ、見てたって言ってるようなもの。

すると、ふわっと優しく光くんが後ろから抱きしめてくれた。

「…好きだ…失うくらいなら…言うよ。本気で好きだ」

『!』

ドラマのセリフ。
私は思わず泣いてしまった。

『ずるい…』

「え?」

光くんの「好き」なんて久しぶりに聞いた。

『それ…ウソでも嬉しい…よぉ…っ』

「!」

本当に身体が震えるほど嬉しかった。

「なんだ…せっかく役になりきってやったのに…」

光くんが前に座って、ティッシュを取り、涙をぬぐってくれた。

『だって…こんなの見て…光くんにときめいてるなんて知られたら…嫌われると思ってたから』

「…なんだよ、ソレ」

『それに…光くん最近…優しく触ってくれないから…』

光くんが目の前で優しく笑っている。
そのせいで余計涙が止まらない。

『色々考えちゃって…もう、より…いらないのかなって…』

「…バカ」

光くんが力強く抱きしめてくれた。
光くんの肩に顔を乗せると、もう我慢できなかった。

『でも…すごく…寂しかった…なんて言って迷惑かけたくなかった』

「うん…」

『光くんが本当に好きだから…』

そう言うと、光くんはキスしようとした。

『…っ…!?』

思わず身構えると、光くんが少し驚く。

『あ…ごめんなさい…』

「…どうした?」

私が下を向くと、光くんは優しく言ってくれた。

「言いたいことは我慢すんなよ。今は何でも許すから」

私は顔が赤くなっているのがわかったが、光くんをまっすぐ見た。
少し身体が震えた。

『キ…キスもHも色んなテクニックも…光くんの心をつかむのも…よりはうまくないの…わかってる…』

「………。」

『だけど…誰かに触った後は…少し嫌なの』

私は正直に話した。

『演技だってわかってる…それでも嫌なの。無意識にでも…光くんは比べるもん』

涙が流れ落ちた。

『そうしたら…いつ光くんが飽きちゃうか…いつも怖い…』

「より…」

『光くんには…出会いがいっぱいあるし…誘惑もあるし…』

光くんの背中に手を回して光くんを抱きしめた。

『だから、誰と何をしててもかまわない…』

「………。」

『でも、よりに触るときは…よりだけで…よりだけに優しくして…』

抱きしめる手が泣いてることで少しだけ震えた。

『それ以外…わがまま言わないから。1コだけ…わがまま聞いて…』

すると、光くんが抱きしめる手を緩めてキスをしてくれた。

「いいよ…」

長く…くすぐったいくらいに優しいキス。

「こんなキス…よりにしかしない…。言ったろ?噛み合うって」

光くんが少しテレて言うと、それが嬉しくてたまらなくて、光くんの首に手を回してしがみつくように自分からキスをした。

『ん…っ…』

唇を離すと、光くんがクスクス笑った。

「嫌なんじゃなかった?」

『…そんなの…ただの嫉妬だもん…』

光くんから少し離れて座ってうつむいた。

『ずっと…そんなのする資格ない…って我慢してただけだもん…』

「!」

少しイジけていると…

『…きゃ…!?』

急に光くんに抱き上げられて寝室へ。

「ごめん…優しくはできないな…」

『…え?』

ベットに降ろされる。
ここまで恋人っぽい雰囲気は久しぶりでドキドキした。

「よりが…挑発するから…」

『え!?そんなのしてな…っ』

光くんが上になって、ベットに寝かされた。

「したよ。かわいい嫉妬で」

『!』

顔が赤くなって目が泳ぐと、光くんはクスッと笑ってほほを撫でた。

「それに、画面の俺見て…もだえてる姿考えるだけで…」

『も…もだえてなんて…!ない…はずだもん…あっ』

光くんが耳にキスをした。
そしてささやいた。

「早く…俺で満たしてあげないと…な」

『ひゃ…っ、やんっ…光く…あっ』

光くんが耳から首筋を舌でなぞると、ゾクゾクして一気に体温が上がる。

「優しくするのは難しいけど…激しくするなら簡単だけど…どうする?」

『………。』

上から見下ろしながら言う光くんのシャツのボタンを外しながら、光くんを子犬のように見つめた。

『光くんに…大事にされてるって…少しでいいから思いたい』

「より…」

『何年たっても光くんが…好きで好きでたまらないから…』

そう言うと光くんに腕をつかまれて、光くんの首に回すように誘導された。
光くんが笑っていた。

「よりはわかってない…」

『え?』

「自分が…どれだけ俺の心をつかんでるか」

『!』

「その…愛の言葉で」

『あ…愛!?』

光くんは優しく笑いながらも、服を脱がせていた。
はだけた服から見える胸を優しく触る。

「愛…してないの?」

『…ひゃあっ…』

耳元でささやかれて、身体がぴくっと跳ねた。

『………。』

首筋にキスしようとする光くんの頭を首に回した手でぎゅっとして、同じように耳元でささやいた。

『…してるよ。すごく』

「!」

光くんの身体もぴくっと反応した。



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あきゅろす。
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