Cross Road
どうして…(梓)
『…た…高柴くん!?』
アズは抱き上げられ、お姫様抱っこ。
ベットに静かに置かれると、下着を取られた。
『…!』
嘘…高柴くん…もう私なんかいらないんじゃ…。
アズは、裸にされた。恥ずかしくてたまらなくて、小さく丸まった。
星のネックレスはチェーンの途中が壊れていたが、アズはなんとか直してつけていた。
ベットで…
裸って…すごく恥ずかしいよ…。
秀の匂いがするベットはアズをドキドキさせた。
アズがテレていると、秀は少しアズをジッと見た後…
『…っ…!』
アズの耳のそばに顔をうずめる秀。
…瞬間、アズは固まり、目を見開き…怯えた。
『…や…』
ここにいるのは秀なのに、アズの頭の中には…南野に触られた、あの瞬間のことがフラッシュバックし…鮮明に思い出された。
鳥肌が立った。
手が…舌が…はって…
最後には…中に…出された。
…汚い…記憶。
『…やだ…嫌…』
「!」
アズは…全身が無意識のうちに震えた。
秀は、慌ててアズから顔を離した。
ダメ…高柴くんに…
こんな汚い私…
見られたくない…
触られたくない…。
アズはポロポロと泣いた。秀の顔は怖くて見れなかった。
こんな風に断ったら怒られると思っていたアズ。
せっかく高柴くんが触ってくれたのに…
あんな…南くんのことぐらいで…
『ごめんなさい…』
アズは再び小さく丸まりながら言った。震えは、さらに多くなる…。
秀は…そんなアズの頭を優しく撫でると、すぐにアズから離れ、アズが着ようとしていた制服を持ってきてくれた。
「…着替えて…ちゃんと部屋で寝ろ…」
小さく丸まったアズの顔の横に、秀は制服を置くと、ソファーに向かい、テレビをつけながらソファーに座った…。
モゾモゾと起き上がると、制服を手に取り、着たアズ。
秀の後ろ姿を見ていた。絶対に振り返らない…後ろ姿…。
役に立たなくて…ごめんなさい。
アズは、着替えると下着とさっきまで着ていた服を手に取り、タオルをたたんで棚に置くと、
『…戻ります…ごめんなさい』
アズは、お辞儀をして秀の部屋を出た。
「………。」
秀は、最後までアズを見なかった…。
部屋に入った時と同じ…冷たい態度。
…でも…
私にまた触るなら…
なんで南くんに…。
身震いがしたアズは、とっさに秀からもらったネックレスを触り、落ち着こうとした。
『!』
首まわりを、何度も何度も触って…確かめた。
嘘…!?嫌…
辺りもキョロキョロ見渡した。
しかし…アズの首にネックレスはなかった…。
軽くパニックになりながらも、必死にキョロキョロ見渡した。
やだ…あれがなくなっちゃったら…
高柴くんとのつながりが、なくなっちゃう気がする…
それだけは…嫌…怖い…。
アズは床をよく見ながら、ゆっくりと秀の部屋の方へと戻った。
ない…
ない…
ないよ…!
アズは、とうとう秀の部屋まで戻ってきた…。
どうしよう…入りにくいな…
アズが、迷っていると…秀の部屋の扉が、ちょっとだけ開いている…。
…私
…ちゃんと閉めたのに…。
すると、中から人の…女の人の声がした。
アズは…扉をゆっくり押し開けた。
『…高し…………っ!』
少し開いただけで、扉の正面にある大きなベットがよく見えた…。
…裸の…依緒の姿も…。そして声も…。
「あぁん、秀様ぁ…スゴ…あんっ」
下半身や秀の姿は布団に隠れて見えなかったが、依緒の姿…後ろ姿はハッキリ見え、上下に何度も動いていた…。
その光景はアズの目に焼き付いた…。
後ずさりをして…足の力が抜けたアズは、床にペタン…と座り…放心状態。
でも、下を向いて…ポロポロ流れてきた涙を押さえ込もうとしていた…。
本当に誰でもいいんだ…
だから…私でも…よかったんだ…
ただ…そばにいたから…。
「…君、大丈夫?」
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