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Cross Road
名前を呼ぶ声(秀)



アズ…

なんて…可愛い。



秀とつながったまま…終わったのに動けないアズは、秀にしがみついて、ハァ…ハァ…と息を切らしていた。

動けないのか…?

でも、このままだと…俺がやばい。

壊すまで…止まらなくなる。

『…抜け』

秀が言うと、アズはゆっくりと秀から離れた。

「ご…ごめんなさい」

アズは長イスから降りると、よろけた。
またもや、腰くだけ。そのまま、床にペタンと座った。

…またかよ。

『ぷ…あははっ』

「!」

秀は大笑い…お腹をかかえて笑った。
そして、恥ずかしがってるアズをからかった。

『…そんなに良かった?』

「…っ…!」

秀は、アズの顔が徐々に顔が赤くなるのをおもしろがっていた。

「…良かった…です。比べる対象がないからわかんないけど…」

『!』

アズの答えにたまらなくなるような…もう一度襲いたいような感情が芽生えた秀。

そうだ。アズは…俺だけのものだ…。

秀は、普段からある強い欲望…独占欲がアズによって満たされる気がした…。


「…た…高柴くんは?」

アズが秀にも感想を聞いてきた。

…俺?

そんなの…


言えるか…バカ。

制服を直し立ち上がった秀。それを見上げるアズ。

そして、秀がアズの前にかがんで…頭をなでながら言った。

『明日…またココで』

「!」

そのまま、秀は鍵を開けて外へ。

もう一度抱きたい…

それが答えだ…アズ。











次の日。
朝、裕貴と一緒にリムジン登校。

「落ち着かねぇー!」

裕貴がリムジンで暴れる。

「お前…こんなのよく毎日乗ってられんな」

『…慣れれば…な』

クスクス笑う秀。

家に迎えに来たり、いつもと違うことをする秀に裕貴は、疑いの目…そしてタメ息。

「…で?わざわざ俺を迎えに来てまで何の用?」

『あぁ…』








「は?女の名前?」

リムジンを降りると黄色い声の出迎え。

「キャー!シュウ様よ」

秀はスタスタと歩く。裕貴は後を追いかけた。

『あぁ…クラスメイトで巻き髪のうるさい女…』

「髪、長め?それならたぶん水川 麗子だよ…でも何で?」

『麗子…か。いや…ちょっと試してみたくてな』

「?」

明らかによくないことを考えてる秀に、裕貴はクギを刺す。

「女遊びもほどほどにしないと…大事なもの失うぞ」

『大丈夫だよ。俺が手放さなきゃ…誰も離れていかない…』

秀の妙な自信が心配になる裕貴だが、何を言っても今の秀は理解しないだろうと思った。

…アズは…

絶対、俺から離れていったりしない…。









「あ!シュウ様!おはよーございまーす」

教室に入ると、待っていました!と麗子が秀に飛び付く。裕貴はあきれ顔。
秀はちょっと迷惑そうな顔をした。

『離れろ…麗子』

「「!!!!!!」」

秀が覚えたての名前を呼んだ…クラス中の人が驚いた。

「………。」

麗子自身が一番驚いていた。固まっている。

…反応…なし?

『お前…麗子だよな?』

麗子の反応がないので、もう一度言った秀。
すると、麗子は嬉しさのあまり、首に手を回して抱きついてきた。

「シュウ様っ!嬉しい」

麗子の嬉しそうな声がクラス中に響いた。



名前って…

そんなに特別なのか…?



麗子を首から引き離そうとしてる秀。
視線を感じた気がしてアズの方を見たが、アズはこっちを見てなどいなかった。

俺も…呼ばれてみたい…


アズ…お前のその声で…。





昼休み、秀は裕貴と図書室の裏部屋で、昼メシ。

「俺…寝る。ちょー眠い」

『あぁ…時間になったら起こしてやるよ…』


裕貴が寝に入ったのでヒマになる秀。




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あきゅろす。
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