[通常モード] [URL送信]

Cross Road
初めてのお願い(梓)




「…起きたのか」

『!』

アズは、そばで秀の声がしたので驚いた。
急いで起き上がろうとすると、クラクラとめまいがした。


「…寝てろ。貧血だそーだ」

肩をつかみ、アズを優しく寝かせる秀。

…あったかい…大きい手…。

アズは寝ると、なんだか昨日のことを思い出して恥ずかしかった。

パッと目をそらす。ほっぺが赤くなってしまったので、白い布団で隠した。

秀は、ベットの横に座り、窓から外を眺めていた。



『あの…』

「!」

『た…高柴くんが…ココまで…?』

アズが尋ねると、秀は無表情のまま答えた。

「…違うやつ。俺はサボリに来ただけ」

『…そうですか』

アズはしゅんとした。

高柴くんがそんなことするわけナイか…

好きでもなんでもない…女になんか…。



アズがどっぷり布団に潜ると、秀はベットの上に乗ってきた。
ベットがきしんだ音で、上にまたがれたことに気づいたアズ。

『…えっ…』

アズが慌てて布団から顔を出すと、秀がアズを見下していた。

「…首…見せて?」

『?』

アズが何で?と思っていると、ネクタイを緩め、ブラウスのボタンを3つ外して、エリをバッと広げた。

『…やっ…』

突然のことで驚き、恥ずかしがるアズ。
ピンクのブラは半分見えていた。

何?

…何を…見てるの?



「コレ…もっとつけていい?」

『…っ…』

指で首筋をなぞり、昨日つけたキスマークを触った秀。

コレ…?

あ…あの赤いの…?


『…ダ…ダメです。誰かに見られたら…困る…』

アズがギュッと目をつぶり答えると、

『…っ…あっ!』

首筋を舌がはっていた…時々キスをした。

…すごくゾクゾクした。

そして、キスマークを残すために、時々吸い付いた。

『…や…ぁ…』

アズは、震えた…。

期待なんかしちゃ…ダメ…

私…ただの身代わりだから…。




「最後までは…しないから」

秀が言った。そして、アズのブラウスを元に戻し始めた。

『…あ…』

驚くアズを見てクスッと笑った秀。

「それとも…ヤリたい?」

『!』

アズは慌てて首を横に振った。顔は真っ赤。


…抱かれたくなんかない…



高柴くんは…優しいから…

…嬉しくなるから…




もっと好きに…

なってしまうから…。



アズは、必死に自分の感情を抑えようとしていた。




「………。」

『!』

すると、無言でいきなりアズの首にネックレスをつける秀。

星の…ネックレス…

可愛い…。



「夜…買った」

『…私…に?』

「あぁ…なくすな」

なんだか、獲物の証しみたいなネックレスは欲しくないアズだったが、秀がプレゼントしてくれたのは嬉しかった。

…本当は…百合先輩にあげたいくせに…

先輩って…モテるし人気あるから…

…さすがの高柴くんも遠慮してるのかな…




『…ありがとう』

とりあえず、もらうことにした。

星を手に取り眺めると、ニヤけてしまうアズ。


可愛い…

コレ選ぶときは…

私のコト…考えてくれてたり…したのかな。


秀が、外を眺めてるすきに星にチューをした。







会話は少なかったけど…


それから、高柴くんは私のそばにいてくれた…。






『…あ…あの…!』

思い切って言ってみたアズ。
なぜか、この時は…こんなことが素直に言えた。

『あの…キス…教えて下さいっ』

「…は?」

アズが、真っ赤でお願いすると、秀は困惑しているようだ。

『…少し…うまくなりたいな…って思ったり…』

秀をチラ見したアズ。斜めを見ながら考え込む秀を見て言ったことを後悔した。


バカ…!

何調子に乗っって…!?


『ご…ごめんなさい』

忘れて…と言おうとした瞬間、秀はベットの横に再び戻ると、ニッと笑った。



[前へ][次へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!